◇阪本順治監督 映画「半世界」◇
映画が始ると、
しばらくは、ゆっくり間延びした日常を描かれていく。
小さな町の毎日は、
同じことの繰り返しの場面の中、そこに異彩を放つ怪物のような女優が、、
主人公(高村絋=稲垣吾郎)の妻(初乃)、池脇千鶴だった。
池脇千鶴の存在感はダントツの圧巻だが、主人公役が対称的な稲垣吾郎。
観終わってからも、
なぜ、、のモヤモヤ感が二日続き、おやっ!?と思った。
主人公高村絋は、
自ら選んだ試練を、悔やんだり嘆いたりせず、あっけらかんとしている。
ストレスがあることすらも受け流し、真っすぐに日々を過ごす。
存在感云々とか、芝居が巧い下手とかは関係なく、
高村絋の箱庭のような感覚を空気のように取り込める役者は、
間違いなく稲垣吾郎だと思った。
田舎町で炭を作り続ける主人公/高村絋。
妻の初乃と中学生の息子の三人暮らし。
日々は、なんとか暮らしを立てているが、
一人息子を高校に進学させるお金にも困るほど、ほぼナントカの状態。
生まれて、小中高と過ごし、生きてる半径はとても小さい。
町全体が知り合いのような世界。
親友が離婚と失業で突然戻ってきたり、
今だ結婚していない親友とつるんだり。
四十を目前にしたそれぞれが、人生の分岐点にさしかかっていた。
◇稲垣吾郎の直球!◇
二時間の間、映画に苦笑したり、切なくて泣いたりしたが、
阪本監督の意図は、分からなかった。
だが、
四十歳を前にして、
人は仙人のように悟れないものなんだ・・・と思い出した。
まだ、
若さの欠片は充分にあり、寿命とか死とかは、ずーーーと未来のこと。。
自分の未来がぼんやりも見えず、身の回りのことで精一杯。
この状況が、早くラクにナラナイカなぁ、、、、と願ってる歳。
平均寿命の折り返し地点なのに、とても不安でオタオタしてた。
そして、
この空気感を大業にせず、凡庸に演じてた稲垣吾郎が良かった。
吾郎ちゃんの読み取りにくい表情が、あとになってジワジワ現実味を帯びてくる。
↓風呂上り、夫婦でミカンを食べてる。
二人の食べ方がそっくり!!
結構、好みのシーンなの。
「半世界」の評価は、かなり高い。
ワタシは、
高いも低いもないけど、稲垣吾郎の絋じゃなかったら、
こんな風にアレコレと映画について思い巡らすことはなかった気がする。
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