樹木希林さんの影に隠れている女優さん。
ワタシの勝手なイメージでは、
樹木希林さんは破天荒な職人気質の女優に対し、
派手さはないのに、素朴で温かく包み込む声を持ちながら、
まるで昔からそこに住んでいたかのような憑依系の女優。。
それが、市原悦子さん。
実は、
ずーーと気になってた映画があった。
それが2017年3月公開映画「しゃぼん玉」。
なんでか二の足を踏んでいた。
それは林遣都君・・・
瀬戸内寂聴原作の映画「花芯」では、ヒロインの妻にぞっこんの夫役で、
妻との営みに歓びを感じる善良な男。
妻は夫に愛情も湧かず、物足りなさで悶々とする日々を抱える。
だが、妻は不倫に走り、夫も子供も全て捨て、女として生きる事を迷うことなく選択する。
一方、夫は未練が残る元妻への気持ちを断ち切り、自分を慕う元妻の妹と再婚。
平凡で穏やかな幸せに落ち着く。
なぜか「花芯」での良き夫が、
妙に気持ち悪く、生々しい淫靡なイメージ=林遣都と、脳みそに根づいちゃったらしい。
そして何度目かの躊躇いの後、ようやく観てみると、
高倉健さんの言葉が被さるように、胸に広がる映画だった。
◆映画「しゃぼん玉」◆
荒れすさんだ生活しかしてこなかった青年イズミ(林遣都)
人から金品を奪う事で、凌いで生きてきたイズミは、
とうとう人を刺してしまう。
思いがけない顛末に、人生のどん底に落ちたことを知り、逃亡を図る。
逃げっ切った山奥で、
イズミはバイク事故でケガを負ったスマばあちゃん(市原悦子)に出遭う。
その日から、イズミとスマばあちゃんの生活が始まった。
何も訊かず、ただ「ぼんは ええ子じゃ」と言い続けるスマ。
肉親のように見守り、
イズミに「大事だと思う人にはウソついたらいかんよ」と諭す。
イズミは山奥の村人の優しさに、徐々に青年らしさを取り戻していく。
だが、
イズミが心を開こうとすればするほど、、自分がこれまで犯した罪に苦しむようになる、、
そしてその苦しみに決着の日が来る。
ある日、スマの息子が突然帰って来た。
家にあるお金を根こそぎ奪いため、母親スマを力づくで捻伏せようとしていた。
スマを庇うイズミが、スマの息子に首を絞められた時、
卑しい目の光をぎらつかせた息子は、かつての自分の姿をだった。。
翌朝、 イズミはスマに全てを打ち明け、償う決意をする。。
結末は「幸せの黄色いハンカチ」を思いださせた。
それは
言葉もなく、
引き算して引き算して、山合いの素朴なスマの家の灯りだけに、
この映画の息吹が込められていた。
◆魂のリセット。。。◆
「しゃぼん玉」はイズミの魂のリセットと共に、
スマの魂もリセットしていたと思う。
スマは自分の息子を守り切れなかった自責の念と、
卑しいエサの取り方しかできない息子への思いを抱えて生きていた。
そんな時、イズミとの不思議な同居生活が、生きる力へ変わっていった。
風景と人の営み、これらがすべて言葉として伝わってくる。
胸の中にひたひたと満たされてゆくナニカは、まぎれもなく秀逸な映画だと思う。。
**gumrieのつぶやき**
俳優/林遣都が素晴らしいです。
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ありがとうございます<(_ _)>
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