◆枯れない花…◆
むせる暑さのキッチンで、シャカシャカとお米を研ぐ音。
いつも通りの夕げの準備だ。
研ぎ終わると、水に日本酒・十六穀米を入れ、
タイマーで旨く炊ける時間をセット。
我が家の夏のご飯は、タイ産ジャスミン米。
炊きあがる湯気が、家中をあったかいシアワセの薫りでいっぱいにしてくれる。
ふいに可笑しくなった、なんかエライなぁ。。
ただご飯を炊くだけなのに、、、
ワタシが、こんな風にひと手間もふた手間もかけるなんて。
人はこんな小さな事も熟成する。
遠い場所に来たような不思議な感覚になった。。。
一人でお米を研ぐ生活が始ってからは、いつも腹ペコだった。
19歳の支度は、研いで適量の水を入れスイッチON。
片手に満たない母の仕送りでは、教科書や定期・アパート代がギリギリ。
お弁当を持って学校に行くしかない。
ただ若いお腹を満たすため、、選択の余地がなかった。
食べる場所がないため、毎日学食に行きお弁当を食べる。
地方の男子生徒なのだろう。
お弁当を広げて食べてると
「わぁ…いいな~いいな~」とみんなで覗きこむ。
安くてボリュームのある学食で、弁当を食べるのはワタシだけだった。
嬉しそうに無邪気に覗く男子学生たちに
<こんな事がいいんだ。。ふーーーん…コッチは事情があるんだよ!>
と、心の中で毒づく。
夢と希望でいっぱいの志と同じ分量の貧の辛さに、何かが捻じれていた。
アルバイトで凌ぐ生活で、
物事に対して、ひと手間かけるなんて意味あるの?
そんなヤツのワタシに、友人の男子学生たちは
「競馬で当たった!」
「麻雀でツキまくった♪」と旨いご飯屋に連れて行ってくれた。
ワタシが無事に卒業出来たのは、彼らのお蔭だったといい歳になってから気づいた。
◆熟成とは。。◆
OLの時、結婚も、歳を重ねれば枯れて行くものと思っていた。
<ワタシにはその時は、いつ来るのだろう・・・>
そんな徒然の日々に聞いた言葉が
「人は繰り返し重ねて行くうちに、熟成していくダンスも熟成していくものなんです!」という言葉。
さり気なく放たれた言葉は魂があったのだと思う。
ワタシがSalsaに魅入られたキッカケのM先生の言霊だった。
ペアダンスは結婚生活と同じだと思う。
アクションを起こさないと相手に伝わらない。
技だけじゃなく、心遣いも深く熟成すると別な世界が出来ると思うのだけど。
米を研いでて、ここまで記憶が遡った。
これから先、自分がどうなるのか。。福袋に何が入ってるのだろうね。
◆枯れない花。。秋元順子◆
つい先日、この歌「枯れない花」を知った。
この人の歌は、聴けば聴くほど言葉が沁みる。
歌も上手い、声もイイけど、絵が浮かぶからか。
58歳でメジャーデビューし、67歳の今も咲き続ける。
最初見た時は「えっ?!」だった。
が、どんどん洗練され無駄な「えっ?!」は削ぎ落された。
歌も声も姿も年齢に反比例するように熟成していった。
この詩、複雑です。どうぞ愛・哀の歌デス。
追伸 帯表紙はワタシです。。。。
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