この建物を建設したのは、実業家の山本直良ですが、指揮者の故山本直純さんの祖父にあたる方で、明治39年に営業を開始し、戦時中一時外務省の軽井沢出張所となった以外は経営者は変わってもホテルとして昭和45年まで営業を続けていました。
明治38年落成 木造西洋式ホテルとしては2番目に古いホテルで、岡田時太郎による設計。当初は外国人の顧客が多かったようですが、次第に当時の政財界人の滞在が増えて行ったそうです。英国宣教師のショーが軽井沢を気に入り、別荘を建てたのが、明治21年ですので、僅か17年で本格的な西洋式ホテルが建てられたことになります。
旧軽井沢の銀座通りにある古い写真館のディスプレーには、往時の軽井沢の様子を写したの古い写真がいくつか飾ってあります。その中の一つに三笠ホテルのこの部屋での会食の様子を写した、大正時代の写真があり、当時の華族の方々が写っています。
その中に近衛文麿公と着物姿の千代子夫人(旧制毛利)も写っていました。映画スパイゾルゲの中で彼女の役を岩下志麻さんが演じていましたが、写真に写っている近衛公と夫人はまだ若く、おそらく夫人の方は20代の頃だと思われます。彫りの深い目鼻立ちの整った洋風の顔立ちで、一人だけ際立っていました。
その中に近衛文麿公と着物姿の千代子夫人(旧制毛利)も写っていました。映画スパイゾルゲの中で彼女の役を岩下志麻さんが演じていましたが、写真に写っている近衛公と夫人はまだ若く、おそらく夫人の方は20代の頃だと思われます。彫りの深い目鼻立ちの整った洋風の顔立ちで、一人だけ際立っていました。