はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

子供の現実

2015年11月13日 | 出来事
会社の人から聞いた話です。

夕方、玄関のチャイムが鳴ったそうです。
ドアを開けると、子供が立っていました。
片手に紙袋を持ち、そこから空のお弁当箱のようなものを出し、
「おばさん、ご飯をもらえませんか?」
と言うそうです。
会社の人は、一瞬、分けが分からず、呆然としたと言います。
でも、その子供は、再度、同じことを言いました。
「ご飯を下さい。」
と。

「どこの誰かもわからない子供にあげられないから、どこに住んでいて、何ていう名前なのか教えて。」
と言うと、
その子供は涙ぐんで、首を振ります。
「言えないんです。言ったら、お母さんに怒られる。」
と。
「お母さんは、どうしているの?」
と聞くと、
仕事に行っていると答えます。
「でも、帰ってこない日があるんです。お母さんが帰ってこない日は、ご飯が食べられなくて・・・・。それで、こうして誰かに貰っているんです。」
「お父さんは?」
と聞くと、いないと答えます。
「どこの学校?」
と聞くと、その子供は、ますます大粒の涙を流します。
自分の身元は、どうしても話すことはできないという強い気持ちを感じたそうです。

「お母さんが帰ってこなくて、ご飯が食べられない日があるということを、学校の先生に話しなさい。」
と言うと、その子供は力なく頷きました。
たぶん、学校へもあまり行っていないんだろうなと私は、想像しました。
「何年生?」
と聞くと、小学校4年生だとのこと。
「どこの子供かはわからないけれど、子供の足で歩ける程度の距離だろうから、たぶん、家はそう遠くはないのではないかと思う」
と、会社の人は言っていました。

その人のお孫さんも小学校4年生の男の子で、自分の孫と重なったそうです。
「それに、とても可愛い子だったのよ。」
と、会社の人は言います。
「あの涙を見てしまったら、そのまま無碍に追い返すことはできなかったわ。」
と。
それで、たまたま残っていたご飯とから揚げ、バームクーヘンなどを持たせたとか。
その子供は、何度も「
「ありがとうございます。」
と頭を下げて帰って行ったとか。
「癖になって、また来るかな?と思ったけど、それから何週間か経つけど、それっきりその子は現れない。」
そうです。

「お母さんが仕事と称して家を開けるらしいけれど、もしかしたら、仕事ではないかもしれないよね。」
と会社の人は言っていました。
私もそう思います。
「警察に言おうか、児童相談所に通報しようかとも思ったけれど、どこの誰かもわからないし」
と、会社の人は言っていました。

終戦直後じゃあるまいし、今時、食事もできない子供がいるなんて、びっくりしました。
子供が食事できないのがわかっていて、それを放置して家に帰らない母親は、育児放棄と言われても仕方ないのでは?
一種の虐待でしょう?
最近は、貧困で学校へ行けない子供も増えていると聞きます。
こういう親の事情で学校へ行けなかったり、食事ができなかったりする子供がいるという現実を身近に感じました。

その後は、顔を出さないという子供ですが、どうしているのか気になるところです。


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