日曜日、主人が珍しく
「お昼にラーメンを食べに行こうよ。」
と言います。
息子も誘ってみようと言うので、声を掛けました。
そこへ、突然、娘とツブとミニがやってきました。
勘九郎の毛が伸び放題になっているので、カットして欲しいと以前から言っていたのですが、なかなか時間が取れずに、その日、急に時間ができたので、カットしに来てくれました。
それで、みんなでラーメンを食べに行くことにしました。
こぶが二人いましたが、久しぶりに私たち4人家族が揃いました。
みんなが揃っての食事となると、ラーメンだけでは済まなくなり、生ビールも飲み、おつまみも取り・・・ということになって、たかがラーメン屋さんでの食事が、結構な金額になりました。
主人が誘ったので、当然、主人の支払いと思っていましたが、予定外に人数が増えたので、現金の持ち合わせがないとのこと。
「ここ、カード払いできるかな?」
というので、
「こんなラーメン屋さんでカード払いなんてないよ。」
というと、
「現金持ってる?」
と私にふってきました。
そんなやり取りを息子は聞いていたんだと思います。
お財布からお金を出して、
「これで払っていいよ。」
と言います。
「私たちが誘ったんだから、私たちで払うよ。」
と言ったのですが、主人は、
「オレたちよりは、金持ちなんだから、出してもらえば良いよ。」
と、平気で言います。
結局、息子にごちそうしてもらう形でお店を出ました。
帰り道、ラーメン屋さんの近くにある大きな団地が外装の工事をしていました。
それを見て、その団地にいた友達の話になりました。
その団地には娘と息子の同級生がいました。
私の家と家族構成が同じで、年齢が同じだったので、兄妹が同級生でした。
そのお兄さんのO君が、以前、逮捕されるという事件がありました。
それ以降、その家族はどこかへ引っ越してしまい、今は音信不通のようです。
そんなことから、当時の話になりました。
息子がまだ二十歳前のことでした。
友達に誘われて行った先は、ボロアパートの一室だったと言います。
そこには、小学校、中学校の同級生がたくさん集まっていたとか。
中心にいたのは、見るからにやくざ風の人で、その人と一緒にいたS君という小学校の友達は、何百万もする高級腕時計をして、高級スーツを着込んでいていかにも羽振りが良さそうだったと言います。
S君というのは、息子の小学校のサッカー部のチームメイトでした。
息子は、あまり積極的にサッカーをしていなかったので、万年ベンチでしたが、S君は、レギュラーポジションを維持していて、お母さんも熱心でいつもサッカーの応援に来ていたので、私も親子共に顔見知りでした。
息子が、そのアパートに入っていくと、S君が来て、息子だけを台所へ連れて行き、
「これから、幹部の人から色々話があるけど、実際は、もう、儲かる枠はないんだよ。」
と、言う事だったそうす。
その時のS君の話で、息子は、
「これは、ヤバいな。ねずみ講だな。」
と思ったそうです。
まだ、何をするかも決まっていなくて、ただ人を集めて、「儲かる」という話をしていたと言います。
実際、S君を始め、その団地に住んでいたO君など、数人の人たちは相当な金額を儲けていて、そのためにみな、高級な身なりをしていたそうです。
集まった人たちは、かつての同級生の羽振りの良さに憧れ、実際、そのグループに染まって行った人も多くいたようです。
当時からお店に行かなくても借金できるキャッシングの機械ができ始めていたので、そのアパートを出た人たちは、次々にその機械からお金を借りて投資したようです。
多少、脅しのようなこともあったのかもしれません。
他の友達は、ほとんどが成人していましたが、息子は早生まれで、成人するのは1~2か月先の事でした。
なので、独断でキャッシングすることができなかったため、その場からすんなり帰る事ができたようです。
帰ってきた息子からその話を聞いて、息子がそのグループに関与しなくて本当に良かったと思いました。
それ以降も、色々な友達から、そのグループに参加するように何度も誘いが来ましたが、息子は断ったようです。
もちろん、私たちも何度も何度もそのグループには関与しないように息子に言いました。
それから、数か月後、テレビを見ていたところ、ニュース速報が流れました。
息子から聞いた組織の名前が出て、フルネームでS君と0君が逮捕されたというテロップが流れました。
やっぱり・・・
と思いました。
息子も、いつかは逮捕されるんじゃないかと言っていたし、私たちもそう思っていました。
どれだけうまい話をしたのかわかりませんが、かなりの被害者が出たようです。
私の良く知っている息子の同級生は、息子が止めるのも聞かずに、多額の借金をして、結局は返済できずに親御さんがかなり苦労をして返済したという話を聞きました。
私も、やつれた様子のお父さんを見かけたことがあります。
S君のお母さんも、S君の関係でかなりの利益を得ていて、同じように逮捕されたと聞きました。
逮捕された人たちは、一様にどこかへ引っ越してしまって、消息は不明です。
ラーメン屋さんの帰り道、たまたま通った以前のO君の家の事から、当時の事を思い出しました。
それにしても、息子は運が良かったと思いました。
当時まだ未成年であったこと、S君から「儲かる枠はもうない」と聞いていたことなど。
あの時、まだ「儲かる」と聞いていたら、息子も関与してしまったかもしれないと思うと、ぞっとします。
「お昼にラーメンを食べに行こうよ。」
と言います。
息子も誘ってみようと言うので、声を掛けました。
そこへ、突然、娘とツブとミニがやってきました。
勘九郎の毛が伸び放題になっているので、カットして欲しいと以前から言っていたのですが、なかなか時間が取れずに、その日、急に時間ができたので、カットしに来てくれました。
カット前の勘九郎
カット後の勘九郎
まるで別物です。
カット後の勘九郎
まるで別物です。
それで、みんなでラーメンを食べに行くことにしました。
こぶが二人いましたが、久しぶりに私たち4人家族が揃いました。
みんなが揃っての食事となると、ラーメンだけでは済まなくなり、生ビールも飲み、おつまみも取り・・・ということになって、たかがラーメン屋さんでの食事が、結構な金額になりました。
主人が誘ったので、当然、主人の支払いと思っていましたが、予定外に人数が増えたので、現金の持ち合わせがないとのこと。
「ここ、カード払いできるかな?」
というので、
「こんなラーメン屋さんでカード払いなんてないよ。」
というと、
「現金持ってる?」
と私にふってきました。
そんなやり取りを息子は聞いていたんだと思います。
お財布からお金を出して、
「これで払っていいよ。」
と言います。
「私たちが誘ったんだから、私たちで払うよ。」
と言ったのですが、主人は、
「オレたちよりは、金持ちなんだから、出してもらえば良いよ。」
と、平気で言います。
結局、息子にごちそうしてもらう形でお店を出ました。
帰り道、ラーメン屋さんの近くにある大きな団地が外装の工事をしていました。
それを見て、その団地にいた友達の話になりました。
その団地には娘と息子の同級生がいました。
私の家と家族構成が同じで、年齢が同じだったので、兄妹が同級生でした。
そのお兄さんのO君が、以前、逮捕されるという事件がありました。
それ以降、その家族はどこかへ引っ越してしまい、今は音信不通のようです。
そんなことから、当時の話になりました。
息子がまだ二十歳前のことでした。
友達に誘われて行った先は、ボロアパートの一室だったと言います。
そこには、小学校、中学校の同級生がたくさん集まっていたとか。
中心にいたのは、見るからにやくざ風の人で、その人と一緒にいたS君という小学校の友達は、何百万もする高級腕時計をして、高級スーツを着込んでいていかにも羽振りが良さそうだったと言います。
S君というのは、息子の小学校のサッカー部のチームメイトでした。
息子は、あまり積極的にサッカーをしていなかったので、万年ベンチでしたが、S君は、レギュラーポジションを維持していて、お母さんも熱心でいつもサッカーの応援に来ていたので、私も親子共に顔見知りでした。
息子が、そのアパートに入っていくと、S君が来て、息子だけを台所へ連れて行き、
「これから、幹部の人から色々話があるけど、実際は、もう、儲かる枠はないんだよ。」
と、言う事だったそうす。
その時のS君の話で、息子は、
「これは、ヤバいな。ねずみ講だな。」
と思ったそうです。
まだ、何をするかも決まっていなくて、ただ人を集めて、「儲かる」という話をしていたと言います。
実際、S君を始め、その団地に住んでいたO君など、数人の人たちは相当な金額を儲けていて、そのためにみな、高級な身なりをしていたそうです。
集まった人たちは、かつての同級生の羽振りの良さに憧れ、実際、そのグループに染まって行った人も多くいたようです。
当時からお店に行かなくても借金できるキャッシングの機械ができ始めていたので、そのアパートを出た人たちは、次々にその機械からお金を借りて投資したようです。
多少、脅しのようなこともあったのかもしれません。
他の友達は、ほとんどが成人していましたが、息子は早生まれで、成人するのは1~2か月先の事でした。
なので、独断でキャッシングすることができなかったため、その場からすんなり帰る事ができたようです。
帰ってきた息子からその話を聞いて、息子がそのグループに関与しなくて本当に良かったと思いました。
それ以降も、色々な友達から、そのグループに参加するように何度も誘いが来ましたが、息子は断ったようです。
もちろん、私たちも何度も何度もそのグループには関与しないように息子に言いました。
それから、数か月後、テレビを見ていたところ、ニュース速報が流れました。
息子から聞いた組織の名前が出て、フルネームでS君と0君が逮捕されたというテロップが流れました。
やっぱり・・・
と思いました。
息子も、いつかは逮捕されるんじゃないかと言っていたし、私たちもそう思っていました。
どれだけうまい話をしたのかわかりませんが、かなりの被害者が出たようです。
私の良く知っている息子の同級生は、息子が止めるのも聞かずに、多額の借金をして、結局は返済できずに親御さんがかなり苦労をして返済したという話を聞きました。
私も、やつれた様子のお父さんを見かけたことがあります。
S君のお母さんも、S君の関係でかなりの利益を得ていて、同じように逮捕されたと聞きました。
逮捕された人たちは、一様にどこかへ引っ越してしまって、消息は不明です。
ラーメン屋さんの帰り道、たまたま通った以前のO君の家の事から、当時の事を思い出しました。
それにしても、息子は運が良かったと思いました。
当時まだ未成年であったこと、S君から「儲かる枠はもうない」と聞いていたことなど。
あの時、まだ「儲かる」と聞いていたら、息子も関与してしまったかもしれないと思うと、ぞっとします。