はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

83歳に参った!

2016年03月03日 | 出来事
先日、花粉症の薬をもらいに病院へ行きました。
今年は、花粉の症状が出るのが遅くて楽だなと思っていたのですが、2週間前くらいから徐々に症状が出始め、今は辛い日々を送っています。
特に目が痒い。

病院は、それほど混んでいた感じはなかったのに、長い時間待たされました。

私は、本を読みながら待っていたのですが、少し離れたところに座った人の会話が聞こえてきました。
話し声がとても大きいので、ついそちらに気が行ってしまって、なかなか活字が頭に入ってこなくなりました。
話の内容からして、元々知っている関係ではなく、待合室でたまたま隣り合わせになって話をしている感じでした。
片方の人が、
「私は、83歳で、糖尿病でこの病院に通っているの。」
と言っていました。
そして、
「若い頃は、ずっと銀行に勤めていたのよ。
横浜駅のすぐそばの銀行でね、隣は崎陽軒。」
と、早口ですらすらと本でも読むように自分の若い頃の話を始めました。
私は、本を読んだり、その人の話が耳に入ったり、中途半端な感じで聞くともなしに聞いていました。
話し相手になっている人は、50歳台だと言っていました。
「若くて良いわね。お子さんは何人?」
と聞きながら、自分の娘さんの話をします。
「今、娘が来ているんだけど、私を追い出すように、病院へ行けと言うの。
きっと、お父さんと話がしたいんだと思うの。
やっぱり、女の子は、父親が好きよね。
そして、男の子は、母親が好き。
私は、男の子がいないから、わからないけど、みな、そう言ってるわ。」
などと言っていました。
延々とそんな話が続いていたところ、相手をしていた50歳台だと言っていた人の順番が来て、その人は診察室へ入って行きました。
話し相手になった人は、ほっとしたのではないかと思いました。
待合室も静かになって良かったなと思いました。

そう思いながら、本を読み始めると、そのおばあちゃんは、今度は、私の隣に座ってきました。
嫌な予感がしました。
それで、私は本から目をそらさないように、一心に本を読んでいる振りをしました。
すると、そのおばあちゃんは、
「そんな小さな本の字が見えるの?」
と、私に話しかけてきました。
私は、
「ええ。」
とちょっと笑顔を作って、また本に目を落としました。
でも、そのおばあちゃんには、他人の事などまるで関係ないらしく、
「うらやましいわ。私は、活字はまったく見えなくなったの。
ついこの間、白内障の手術をしたんだけど、糖尿病があるから、合併症が出ちゃってね、もしかしたら、大きな病院で、再手術をするようになるかもしれないの。」
と言っていました。

それから、自分の話が延々と続きました。
先ほどの女性に話していたのと同じ話で、銀行に勤めていたこと。
そのおかげで、今は年金が毎月47万円入るとのこと。
でも、糖尿病だから、美味しいものも食べられなくて、お金の使い道がなくて困っているということでした。
「そんなに年金をもらっても、足が悪いからどこかへ出かけることもできないし、今更着る物を買っても仕方ないしね。
もらった年金ばかりが残るのよ。」
と言います。
そして、今度は娘さんの話になり、
「一人娘がいるんだけど、市役所にずっと勤めていたから、娘は、退職金を1000万円もらって、ダンナは同じ職場の上役だったから、退職金は1500万円で、二人はそのお金で、アメリカへ行ってね、アメリカで日本語の教師をしているの。」
と。
昨日から、日本に帰ってきていて、
「娘は私の家、ダンナは自分の実家へ行ったらしいわ」
ということでした。
その久しぶりに帰ってきた娘さんが、お母さんを追い出すように「病院へ行け」と言ったとか。

家は、隣の市だということで、病院まで、毎回、往復タクシーを利用しているとの事。
往復で4000円弱だけれど、「たいした金額じゃないわ。」と。
確かに47万円の年金の使い道がなくて、余って困ると言っているのですから、4000円のタクシー代なんて、何てことないのでしょうね。
ちょっとうんざりしかけた時、私の名前が呼ばれて、やっとそのおばあちゃんから解放されました。

診察を終えて待合室へ戻ると、今度はまた別の人を見つけて、私に話していたのと同じような話をしていました。
一人が呼ばれるとまた別の人を見つけて、次々と話しかけているんだなと思いました。

家でもあの調子でずっと話をしていたら、いい加減イヤになってしまうかもしれません。
それで、せっかくアメリカから帰ってきたのに、娘さんから、病院へ行くように言われてしまったのかなと思いました。
おばあちゃんは、検査結果を聞きに来ているだけのようで、処方箋もないので、敢えてこの日に来る必要はなかったみたいです。

もしかしたら、その調子で、近所の人にも会う人会う人に話しかけ、煙たがられているのかもしれないと思いました。
あーあ、知り合いじゃなくて良かった!

次に病院へ行く時には、そのおばあちゃんには、会いませんよーに。


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