年末の二つ目の衝撃

Ａちゃんのご主人のお通夜に出席するため、娘は同級生と連絡を取り合っていました。
そこへまた携帯メールが入りました。

「Ｙ君が亡くなった。」
というものでした。
Ｙ君も娘の中学の同級生です。
私はＹ君本人はあまり知らないのですが、Ｙ君のお母さんとは子ども会で一緒に役員をしていた時期があります。
ご夫婦とも、とても背の高い人で、奥さんは、ちょっと日本人離れした雰囲気の人でした。
「海外にいて最近こちらに来たばかりなの。現在は英会話の教師をしているけれど、そろそろそれも止めて生活のパターンを変えようかな、と思っているの。」
と、奥さんは話していました。
一度お宅にお邪魔したことがありますが、すっきりと片付いていて、モダンな感じのする家で、私の家とは大違いでした。

その後、子ども会の役員が終わり、Ｙさんとはあまり接触がなくなりました。
数年後、Ｙさんの家の前を通ったとき、表札が別の名前に変わっていたので、どこか別の場所に引っ越したんだなと思いました。

お子さんは、兄さんとＹ君と男の子二人の兄弟でした。
両親がそうであったように二人とも背が高く、そして頭も良く、スポーツも得意で女の子たちから人気があったようです。
お兄さんは現在プロのバスケットボールの選手として活躍していて、たまにマッスル系の番組にも顔を出しているようです。

そのＹ君が亡くなったということでした。
それは、娘にとってもかなりの衝撃だったようです。
しかもＡちゃんのご主人が亡くなったばかり。
Ｙ君の死因が《駅で電車にはねられた》というものだったので、またまた嫌な思いがみんなの頭の中をよぎりました。

娘はネットでＹ君の記事を探したそうです。
私も探して、見つけました。

＜１９日午後１０時頃、川崎市幸区鹿島田のＪＲ横須賀線新川崎駅上りホームで、若い男性が、駅を通過中の湘南新宿ライン・平塚発高崎行き普通電車（１５両編成）に接触し、頭を強く打って死亡した。

　神奈川県警幸署幹部によると、事故当時、男性は一人で線路側に頭を突き出して嘔吐(おうと)する姿が目撃されている。同署が男性の身元の確認を進めている。

　この事故で、同線の上下線が約４５分運転を見合わせ、約９６００人に影響した。 最終更新:12月20日(月)0時47分＞

事故だったようです。
年末だったので、忘年会のようなものがあったのでしょう。
その帰りだったようです。
夜の１０時といえば、それほど遅い時間でもないのに、ホームに駅員さんはいなかったのだろうか？
Ｙ君には、電車が来る音が聞こえなかったんだろうか？
私なりに疑問が残りました。
Ｙ君は一人暮らしをしていたらしく、お通夜の席で、Ｙ君のお母さんは、
「どうしても、いなくなったという実感がわかないの。」
と言っていたそうです。

Ｙ君のお通夜を終えて、娘は体調を崩しました。
片方は自ら命を絶ち、片方は不慮の事故でしたが、二つの衝撃的なことが立て続けに起こり、娘も相当心を病んでしまったようです。
しばらくの間、踏み切りで目の前を電車が通過するとＹ君の事を思い出して、電車が見られなかったと言います。
「電車の通過がトラウマみたいになっちゃった。」
と言っていました。

どちらの出来事からも一月が経とうとしています。
Ｙ君のお母さんの顔が浮かびます。