何だったんだ？

昨日の夕方、夕飯の支度をしていると、玄関のチャイムが鳴りました。
チャイムの主は、
「ツブいる？」
と言います。
近所の子供です。
いつもツブと遊んでいる子が、ツブがいないと、私の家のチャイムを鳴らして、「ツブいる？」と聞いてきます。
娘たちは、土日祭日は私の家には来ないのですが、近所の子供はツブと遊びたがって、私の家のチャイムを鳴らします。
「ツブは来てないよ～」
と主人が答えると、
「ツブのおばあちゃんいる？」
と言います。
何だろうと思って玄関へ行くと、いつも「ツブいる？」とチャイムを鳴らす子供ではありませんでした。

ツブと幼稚園が一緒らしく、最近、遊ぶようになった子でした。
私は、その子の家は娘から聞いて知っていましたが、名前もよく知りません。
「ツブは来てないのよ。」
と言うと、その子は、
「ツブの部屋を見せて！」
と言います。
「ツブはこの家には住んでいないから、ツブの部屋はないのよ。」
と答えました。
すると、その子は、
「階段を見せて！」
と言って、するりと玄関の中に入ってきました。
強引に玄関の中に入ってきたのは驚きました。
私の家は、玄関から階段はすぐに見えるので、見ればそれで納得すると思いました。
ところが、その子は、階段を見た途端に、さっと靴を脱いで、階段を上っていきました。
突然の事で、私は呆然としてしまいました。

慌てて後を追いかけましたが、リビングにいた主人は、見知らぬ子供が突然家に入ってきたので、びっくりしたようです。
「えっ？何だ？何だ？」
という主人の声が、聞こえてきました。
私は慌てて、階段を上り、リビングに行きました。
すると、その子は、
「ワンちゃんがいるでしょう？いないの？」
と言います。
勘九郎とはなは、ちょうどその時、それぞれご飯を食べていました。
そこへその子が飛び込んで行ったので、食事中の勘九郎もはなも驚いて飛び跳ねました。
すると、その子は、
「犬、怖い、怖い」
と言って、部屋の中を走り回りました。
普段なら、何てことはないのですが、昨日は息子が夜勤で、夕方から眠っていました。
息子は、出勤前の睡眠を大事にするので、そんな時間に騒げば、怒り出すかもしれないと思いました。
私の家は、二階の物音が下に響くんです。
なので、二階で暴れると、下の息子の部屋に響くので、眠りを妨げることになります。
「ダメ！走っちゃダメ！」
と言っても、その子は、キャッキャと部屋を走り回ります。
「もう、家に帰りなさい」
と言って、外に連れ出そうとしましたが、私は夕飯の支度の途中だったので、主人に、その子を外に連れ出すように頼みました。
すると、階段の踊り場で、はなが激しく吠えました。
当然、息子は目を覚ましてしまったと思います。
怒って、部屋の壁をたたきました。
やっぱり、目を覚まされたことを怒っていたようです。
そういうことは今まで何度もありました。
息子も、まさか知らない子供がいきなり入ってきて、そんな騒ぎになっていたなんて、思ってもいなかっただろうと思います。

その後、その子は素直に家から出て行きましたが、いったい、何だったんだろうと思いました。

まさか、ツブもいきなり他所の家に入ったりしていないだろうなと、心配になりました。