凶暴な猫の事情

最近、何故か近所の猫が我が家の前にいることが多くなりました。
犬を襲ってくる猫です。
以前、勘九郎が襲われました。

『襲われた勘九郎』

勘九郎が襲われたきっかけは、猫嫌いのクマが先に手を出したことでしたが、何もしない勘九郎がやられました。
その後、別の家のワンコも前を通っただけで襲われたという話を聞きました。
凶暴な猫で恐ろしいと思いました。

後になって、その猫は、私の家の前のアパートに住んでいる人の飼い猫だったと知りました。
その猫は、アパートでペットを飼えないために近くの親戚に預けられていました。
それで、飼い主を求めてアパートの周辺や私の家のそばをウロウロしていたんだと思いました。

ところが、そのアパートも最近取り壊され、現在は宅地になって売り出されています。

元の猫の飼い主だったアパートの住人も別のアパートへ引っ越していきました。
猫はそのまま親戚に預けられています。

それで最近知ったのですが、その猫は元の飼い主に相当虐待されていたということでした。
飼い主は中年の独身男性でした。
気に入らないことがあると猫に当たっていたようです。
虐待され続けた猫は、自分を守るために気が強くなったんだと思いました。
猫を引き取った親戚も手を焼いているそうです。
しつけがきちんとされいないので、家庭内野良になっているとか。
猫は高いテーブルでもひょいと乗ってしまうので、食べ物などちょっとうっかりしていると盗まれてしまうそうです。
今の飼い主もほとほと手を焼いているとか。
そうなってくると、可愛さも失せてくるのでしょう。
親戚の猫なので、仕方無しに、居候のように飼われているだけで、愛情を注いでもらっているというわけではなさそうです。

勘九郎が襲われたとき、憎い猫だと思いましたが、色々事情を知って、かわいそうな猫だと思いました。
きちんとしつけをしてやらなかった人間が悪いし、ましてや虐待され続けたことで、そんな性格になってしまったのだとしたら、本当に可愛そうです。

気の強さは相変わらずで、ツブが無理無理追いかけたりすると、反撃してきます。
ツブも懲りずにしつっこく追いかけるからいけないんですけど。
ツブの顔は、この猫にやられたひっかき傷が絶えません。

私が朝、家を出ると、ニャーと鳴いて私のそばに寄って来ます。
可愛いなと思います。
跡形もなくなった元の飼い主のいたアパートのそばをウロウロしています。
虐待されていても、元の飼い主が恋しいのかなと思ったりします。
何だか、哀れで可愛そうです。