柚子

昨日のウォーキングでのことです。
以前も書きましたが、私はウォーキングをするときは、必ず途中にある氏神さまに寄ります。



私は全く信心深くはないのですが、ウォーキングのコースに氏神さまがあるので、鳥居の前で一礼して神社の中に入り二拝二拍手一拝の作法通りのことをして、息子と娘の安全をお願いしています。
毎日形だけのお参りで、お賽銭もあげないし、特別なことは何もしていません。

昨日もいつも通りお参りをして神社を出ようとすると、神社の脇から宮司さんが出てきました。
神社の隣に宮司さんの家があって、神社の境内と続いています。
目が合ったので、会釈しました。
すると、宮司さんが「これ」と言って白いビニール袋に入ったものを差し出しました。
ビニール袋からなんとなく見えたものは、黄色い果物のように思いました。
あまりに意外で突然の事だったので、私はただ「ありがとございます！」とだけしか言葉が出ませんでした。
しかも宮司さんは、私にゆずの袋を渡すとすぐに家の方へ行ってしまったので、それ以上何も言う間がありませんでした。
あっという間の出来事でした。
神社を出て、袋の中身を見てみるとゆずが入っていました。



宮司さんは、明らかに私が行くのを待っていて、ゆずを持ってきてくれたように思いました。
今の時期は、私のウォーキングの時間は、かなりまちまちで、朝食後すぐに出かけることもあるし、９時や１０時ごろ出る時もあるし、お昼近くになってしまうこともあります。
なので、宮司さんに私が神社に寄る時間がわかるわけもなく、家で神社に入る人をいつも見ているのかなぁとも思いました。
よく賽銭泥棒のニュースを聞くので、あの神社も防犯カメラが設置されていて、宮司さんが監視しているのだろうかとも思いました。

きっと、私がいつもウォーキングの途中に神社によってお参りしているのを知っているんだろうなと思いました。
そう思ったら、なんだか恥ずかしくなりました。
家族にそんな話をすると、「そんなの、気にすることないじゃない。」と言われました。

今日もいつも通りウォーキングの途中に神社に寄ると、宮司さんが境内の清掃をしていました。
私に気づくと、ニコニコと笑いかけてきました。
そして、「もうじき元旦祭だから、きれいにしておこうと思ってね。」と言い「すみません。すぐに、ここを片付けますよ。」と言ってお参りする場所を開けてくれました。
私が、「昨日は、ありがとうございました。」と言うと、宮司さんは、仕事の手を休めることなく下を向いたまま「いえいえ」とニコニコしながら言い、掃除道具を持って、神社の裏の方へ行ってしまいました。
今までも何度かお見掛けしたことがありますが、話をしたのは初めてでした。
穏やかそうな人だなと思いました。

１２月２２日は冬至です。
ゆず湯に入れるように下さったんだと思います。
「香りの強い柚子を入れる事によって、邪気を払う」「ゆず湯に入ると風邪を引かない」ということだそうです。
宮司さんからいただいたゆずなので、さぞかしご利益があるだろうと思っています。