息子のドローン

５月の初めごろの事です。
息子がドローンを購入しました。

私が仕事から帰ると、その物体が居間に置かれていました。
その後、息子が仕事から帰ってきたので、
「なんで、こんなものを買ったの？何に使うつもり？」
と聞くと、
「ひまわり畑の上を飛ばして、写真が撮れたら良いなと思って」
ということでした。

居間でドローンを飛ばし、天井にぶつけながら、
「夏までにどこか、人のいないところへ行って、操縦の練習をしなくちゃなぁ。河原なら、誰にも迷惑がかからないよね？」
と言っていました。
私の家は、相模川の河原から近いので、よくラジコンのヘリコプターなどの練習をしている人を見かけます。
以前、テレビの旅番組で、滝の上でドローンを飛ばして撮影しようとしたところ、操縦を失敗して水没し、そのまま撮影できなくなった場面があったので、
「上手くやらないと、水没したら、回収もできなくなるかもよ」
などと、話しました。

それから数日後のことです。
長野・善光寺で御開帳の法要中にドローンを落下させ、その後、東京の国会議事堂近くでドローンを飛ばそうとしていた少年のニュースが流れ、物議を醸しました。
そして、その後、その少年は、東京・浅草の三社祭にドローンを飛ばすという動画を配信したことで、逮捕されました。

この間、ドローンと少年の事が毎日のようにニュースに流れました。
ドローンが悪者のように扱われ、ドローンを操縦することが、犯罪のような感覚すらありました。

息子は、少年のニュースを見ながら、ブツブツ言っていましたが、その事件で気持ちがそがれてしまったらしく、購入した日以来、一度もドローンに触れることはなく、居間に放置されたまま現在に至っています。

７月も末になり、そろそろ、市内のあちこちのひまわりが咲き始めていますが、息子がドローンを飛ばして、ひまわりの撮影をすることはなさそうです。

息子が買ったのは、とても軽くて、チャチな作りのドローンで、それほど高価なものではないようですが、それでも、１万円以上はしたらしく、もったいない。
かと言って、最近は、ドローンの悪いニュースばかりで、使うのも気が引けるようです。
結局このまま、インテリアと化してしまうんだろうな。
そうだとしても、邪魔・・・

つまらないものを買って、もったいない話です。