はーちゃんの気晴らし日記

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お隣のご主人

2006年11月11日 | 雑談
お隣さんは、私がこの地に来て1年後に引っ越してきました。
子供は女の子が2人。
長女が私の娘の1つ下でした。
娘達は年齢が近いこともあり、3人でよく遊んでいました。
お隣のご主人はとても子煩悩な人で、お休みにはよく子供達をあちこち連れて遊びに行っていました。
娘も事あるごとにお仲間に入れてもらって、一緒に遊園地などに連れて行ってもらったりしました。

ある年の小学校の運動会の時、競技が終わって家に帰ってきたところにお隣のご主人とバッタリ会いました。
「お宅の娘さんは、運動会で活躍するから楽しみがあって良いねぇ。ウチは二人ともどんくさくて、見ていても張り合いがなくてねぇ。とほほですよ~」
と言っていました。
私は、その言い方がおかしくて、しばらく思い出しては笑っていました。

その後、隣町にあるシネマコンプレックスへ行ったとき、そのご主人とバッタリ会いました。
私は主人とサスペンス系の映画を見に行ったのですが、お隣のご主人は二人の子供を連れて、大勢の子供で熱気ムンムンの『セーラー・ムーン』の大行列の中にいました。
私が、
「あら、子供のお付き合いも大変ねぇ」
と言うと、
「いや~、『セーラー・ムーン』は僕が好きなんですよ。僕が見たいんです。子供達はダシなんです。」
とうれしそうに、そして、ちょっぴり恥ずかしそうに言っていました。
へぇ~
でした。

その後、ある朝、出勤の時間にしてはずいぶん遅い時間に黒いかばんを持って家から出て来たご主人に会いました。
「あら?今日はずいぶん遅いお出かけなんですね。」
と言うと、
「実は、心臓を悪くしちゃいましてね、これから手術なんです。1ヶ月も入院すれば戻ってこられると思いますよ。」
と言って、元気良く本当に元気良くとても病人には見えない様子で歩いて行きました。

心臓の手術は成功だったのですが、その後感染症にかかり、お隣のご主人はあっけなく亡くなってしまいました。
まだ40代の若さでした。
その朝のご主人が私が見かけた最後になってしまいました。


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