馬花 155 花喰い 2年14組

2025-02-16 23:26:00 | 熊と人

 

 


痛む肉体に雨が刺す

アロヤから見包みを剥がされ、


崖から突き落とされた、花美留

 



その場所には、

山茶花が咲いていた

朦朧とする意識の中

サザンカの揺息が聴こえ

 


主人公は、

 


主人公は、


 

 

 


「アーハッハ、なんだあれ!」

「熊か?汚ったねえクマ!」

「ダッサ!クッサ!ヤッバ!」






「おい、助けるか」

「やめとけ、あんな野蛮なヤツ。汚れるだろ。なあ、ネックロス」




「行くぞ。あんな熊ホットケーキ」

「おっ、出た。ネックロスの語尾デザート」

「ふん」

「腹減ったな」

「なんだ、アンクナット」

「ストループは腹減らねえのか」

「あいつ、喰っちまうか」

「やめとけ!やめとけ!あんな不味そうな奴喰えるか!腹壊すぞ」

「行くぞ。放っておけ、そんなクマドレーヌ」

 



「やべ、パーマーの残高足りねえ」


「はあ、カフェ・ハシレ行けねえじゃん」


「俺が奢ってやルリジューズ」

 


religieuse フランス菓子

 





木の葉と枝の盛り合わせに、柚子ケーキ

あと、


スイセン



ふう、うめぇ
また好きになっちゃうな、テメェのこと
なあ、ネックロス、アンクナット


俺の、


シマシマ、かっこいい〜!!

 

 

・・・・

 

 

 

はあはあ

 



何とか枯れ木に寄りかかることができた

 


弱き惨めな恥熊


人間の声が熊耳クマガミに届く


「おー、熊野郎!聞こえるか。取り敢えず1匹で生き抜いてみろ。何を学ぶか。お前は家から出たんだ。一頭で生き抜くのか。ふん、仲間を探すのか。ふん、王様になるか。ヘコヘコ、強い奴に従うか」


「だめで!ダメで!駄目で!くくった紐に手をかけたら、その刹那、浮かんだ顔の奴のところへ」


駄目ね。

 

 

俺は



アロヤの声は届かなくなっタルト

 

 

・・・・

 



空腹を消化しなくてはならなかった


花の命を食う

 




花美留の腹言葉

1.ひたむきな愛 サザンカ

2.困難に打ち勝つ 山茶花

 

 

・・・・

 


「誰だ」


「レディニルツと言います。こちらは兄のミアイ」


「何しに来た」


「サンダルをこの山に落としてしまって。見ませんでした」


「いや、知らない」


「そうですか。では、失礼します、、ありがとうございました」


「ああ、行くのか」


「はい、さようなら」

 



なあ



待ってくれ



寂しいんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前はいつも一人ぼっち、何もできないくせに幸福を願うな!下を見続け、アスファルトの隙で踏まれ続ける小石の模様まで覚えその姿に自己を重ねたであろう!マンホールが好きな根暗な少年だった頃を思い出したか!あの太陽より、あの青空より、排水溝の暗闇を見続けた底人。ぬいぐるみに傷を刻み続け、これがカッコイイんだ、などと狂った勘違いで垢した罪は残忍酷薄に違わず、必ず天誅下りしキミ」

 




「お前こそが地獄一本道!あはダセェ!」