海辺にいたアザラシの親子。お母さんが餌を取りにいっている間に、赤ちゃんが通りかかった水兵に連れて行かれてしまいます。売り飛ばされて、オーリーと名付けられ、やがて水族館へ。人気者になったオーリーでしたが、お母さんや海のことを思い出すと涙がでて、お魚を食べることも出来ず弱っていきます。
海のおばけオーリー 作・絵:マリー・ホール・エッツ / 訳:石井 桃子出版社:岩波書店 |
白黒の絵で、1ページに小さなコマが沢山あり、じっくりお話が進みます。最後はハッピーエンドですが、それまで切ない場面や死の危険もあったりと呑気な可愛いだけの本ではありません。でも淡々とした語り口で、時にはユーモラスに楽しませてくれます。
湖に解き放たれたオーリーが、おばけだと騒がれて街の話題になり噂に尾ひれがついて怪物扱いされるようになるくだりはなかなかの見ものです。人間って聞いただけの話でこれだけいい加減なことが書けますよっていう見本のよう。
マリー・ホール・エッツ作。訳は石井桃子。
石井桃子といえば、「ひみつの王国」をまだ読み終わっていませんです。犬養首相が暗殺されるころ、犬養家と交流があったとは驚きでした。
あと「ドミトリーともきんす」と「僕らの民主主義なんだぜ」と「平凡社 ゲイ短編小説集(ワイルド、ロレンス)」「卯の目」が読みさしのまま。
どうもちょびちょび読んではまた別のに手をだしてなかなか1冊が読み終わらずです。