緑豊かなジョージア(旧グルジア)の山間部をつなぐ2台のゴンドラ(ロープウェイ)。乗務員は新しくやって来たイヴァ、もう一台はもとからいたニノという二人の若い女性です。
ほとんどセリフのない映画で、それはこの監督の作風だそうです。ゴンドラ操作のあれこれを教えるのも、スイッチをこうするとこうなる、という無言の動作でびっくりでしたが、ちゃんとなにをやっているのかは分かるし、なんか楽しそう!という雰囲気。
二人の間にはいけ好かないボスがいて、ゴンドラの大元の操作やお金の管理をしています。二人の乗務員が集めた貨幣をこのアディダスのリュックに入れろって指示する場面はほんとに意地悪そうな感じがでていました。ゴンドラに乗りたい車椅子の男性を突き飛ばして追い返したりするし。
そんな中、二人の女子はゴンドラですれ違うたびに相手と無言のコミュニケーションを取ります。やがてお互いに驚かせよう、楽しませようとしてゴンドラに飛行機や宇宙船などの装飾や大改装を施し…と自分も楽しくなっちゃったみたいでどんどんエスカレート。仲間意識なのか愛なのか、とにかくどんどん親密度が深まっていく様が可愛らしく、ときに妖しく、微笑ましい光景でした。
ちょっと、授業中に先生にバレないように手紙を回したりするあの感じ、に雰囲気が似ているな〜と思ったり。それをもっと壮大にして工夫を凝らしたような感じ。
山の緑と青空にゴンドラの橙色が映えて美しいし、女の子たちが自由にやっちゃう感じは楽しかったし…良かったのですが、私は前日に夜更かしをしてしまい映画中どうにも眠くなって大変でした。音楽ものんびりした感じで眠りに誘うのよ〜。
しかし劇的なことは起こらない話かと思っていましたが、終盤は意外と過激なことも起こって眠気が覚めました。