花日和 Hana-biyori

川上弘美「神様」

川上弘美の短編集「神様」を久しぶりに一部再読しました。やっぱり、梨畑で謎の小さな生き物が出てくる「夏休み」が楽しかった。

3匹のうちの一匹が引っ込み思案で「ぼくだめなの。ぼくいろいろだめなの」というのが、こういう若者いるよなあ、そして自分もそんなところあるよなあ、という感じで共感しつつ、たいそう可愛らしい。だめなネタが、他人からすると「なんでそんな、めんどくせ」という感じがするけれど、本人にとっては大問題、そしていちいちそれもなんとなく分かる気がする。ちょっとうっとおしい感じを出してくるのもまた、いいです。

面白いし、ファンタジーっぽいので、息子に読めるかなと思ってみましたが、この三匹と関わる語り手である「私」も、発作的に身を襲う「ずれる」という問題・生き辛さを抱えていて、これは息子には通じないというか、説明しづらい表現だなあと思いました。やはり子供向けではないなと。

最近の新作は読んでいないけれど、やっぱりこの人の文章は好きだなあと思いました。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「読書」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事