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花日和 Hana-biyori

小説「成瀬は信じた道をいく」聴き終わり

Audibleにて。宮島未奈 著、朗読は鳴瀬まみ。

本屋大賞受賞のヒット作『成瀬は天下を取りにいく』の第2弾。

今回も天然不思議少女、成瀬あかりを取りまく人々の視点から描かれている。

成瀬が活動しているお笑いコンビ「ゼゼカラ」ファンの小学生や、京都大学受験のときにはお父さんの視点で。近所のスーパーでバイトしてることは、クレーマーをやめたい主婦の目線からわかった。

びわ湖大津観光大使に選ばれ活躍する章は、祖母から3代に渡りびわ湖大津観光大使を務める女子大生から見た成瀬だ。

さいごは幼馴染でありゼゼカラの相方からの視点で、1巻のとき初っ端はこの人だったので何か輪が繋がるような懐かしさがあった。

どの人も成瀬にどこか心酔している(していく)部分があって、成瀬の魅力を再確認していくようなエピソードの数々だった。

しかし成瀬の「〜だ」という話し方は、大学生になるとさすがに違和感があった。スーパーの店員なのにお客さんにタメ口ってありえないじゃんとなる。キャラがブレないようにするにも苦労がありそうだが、何とか保っていたようだ。

ラストのエピソードは、成瀬が大晦日の朝に「探さないでください」と書き置きしてスマホも置いて姿を消すところから始まる。

意味深な書き置きに父親は大慌てで、成瀬一派とも言うべきメンツが成瀬探しに奔走するのだが…。

200歳まで生きようとしている成瀬が「探さないで」と失踪したからといって、そう深刻な事態になるとは思えない。

しかし、みんな成瀬の事が好きで、心配したい、探したい、という感じだった。たぶんこの人たち楽しんでいるよなあと。

そういう気持ちを、読者を巻き込んで一緒に体感させようとしていたんだろう。

それに自分が乗り切れたかというとそうでもないけど、今回もそれなりに楽しませていただいたのでよかった。何であろうと若者がひたむきに頑張る姿はすがすがしいってもんだ。




 
 
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