『アナと雪の女王』を論じる章で、著者がなぜディズニーが嫌いなのかを書いているんですね。
「私がディズニーを嫌いなのは、ディズニーはシンデレラや白雪姫など、人類共有の遺産としての民話や古典を再利用しまくることでお金を稼いできたのに、他のクリエイターにはなかなか自分の著作物を自由に使わせたがらないからです。」(p132)
とのこと。確かに、シンデレラも白雪姫も、きのう書いた「ピノキオ」も、「ピーターパン」もアンデルセンの「人魚姫」も、かなりディズニーのイメージキャラクターになっちゃってますね。お話しも、たいてい毒気が抜かれた良い子の良い話になっています。人魚姫なんて、最後泡になって消えて行かないですからね。
もとい。1928年に登場したミッキーマウスはもうとっくにアメリカでの著作権が切れて他の芸術家が使えるキャラクターになっているはずですが、ディズニーはミッキーの著作権が切れそうになるたびに運動して著作権を伸ばしてきたといいます。ここで著者は、
「ディズニーは基本、夢とか魔法の話をするだけで、自由には興味がない会社だと思っています。」(p133)
ときっぱり。この後、『アナと雪の女王』は、一見自由を訴える作品に見えて、実は非常に限定された自由を提示している、という持論が説得力を持って展開されます。
前章では『シンデレラ』について語っておられ、これも納得の解説でした。うーん、言われてみれば、かなりディズニーに洗脳されてきた自分も感じました。
この件について家族に語ってみたら、あとで息子は「ディズニーについての考え方がちょっと変わってしまった」と言っていましたよ。
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