花日和 Hana-biyori

キュリー夫人 伝記

最近伝記づいてまして。子どもの頃ちっとも読まなかったので最近になってやっと読んでみようかと。

小学生からも読めるけれど物語めいたものじゃなく一応ノンフィクションとして成立していて、ちゃんと年表や注釈・地図などがあるのが条件で、この偕成社のシリーズは読みやすくていいです。
自分のおつむのレベルがこういうものを求めてるなと。しかし難しいことを子どもにも解るように優しく書く技術は尊敬すべきものと思っています。

「ガンジー」に続いて、伝記といえば「キュリー夫人」だな、ということで。
偕成社の伝記 「世界を変えた人々 1 キュリー夫人」を読みました。(ビバリー・バーチ/乾 侑美子 訳)

キュリー夫人がロシアに支配されていた頃のポーランド人で、苦労してフランスに来てソルボンヌ大学に入ったこと、そこで知り合った夫はすでに高名な科学者で、マリーの能力を高く評価し伸ばしたのも彼であることを知りました。
女性初の物理学者で、結婚して子供もいる中で博士号を取得したりノーベル賞を2回受賞したりと、華々しい活躍をしていますが、おそらく誹謗・中傷や妬みの中で大変なこともたくさんあったことでしょう。それはこの本には触れられていません。

「ラジウムを発見し人々の幸せに役立てた」とあり、若いころから何の防御もせず放射能を浴び続ける実験をしていたために、30代から常に体の不調に悩まされていたようで、66歳で亡くなっています。これを短命というかは微妙かもしれませんが。
しかし第一次世界大戦中には移動式エックス線機で野戦病院を駆け巡るという精力的な活動も行っていて、娘のイレーヌもノーベル賞を受賞しただとか、尊敬するところしか見当たらないような人です。
伝記なので、そういう部分しか扱わないと言えばそれまでですが、意地悪に重箱の隅をつつくようなこともないわと思います。最後に、これは科学の進歩と人間の倫理観という永遠のテーマがここにも、という抜粋です。

原子のなかのエネルギーは、人間がそれをどう使おうと、とにかくそこに、存在しています。(中略)マリーがもたらしてくれた知識を正しく使えるかどうかは、わたしたちにかかっているのです。

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