花日和 Hana-biyori

悲しみのイレーヌ

『悲しみのイレーヌ』ピエール・ルメートル著

以前読んでひっくり返った『その女アレックス』の著者のデビュー作。最初から最後までの面白さはアレックスのほうが群を抜いているのですが、今回も文字通りひっくり返りました。

女性連続殺人の捜査を担当するカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、事件の特徴・規則性に気づいて犯人と対峙することになるが…。

くらさんにお借りしました。ありがとう~。そのくらさんもブログでおっしゃっていた通り、一発芸的な大技に「やられた!」となりました。ツイッターでも書きましたが、これを読んで「読者と作者の間には無言の信頼関係というものがある」と気付きました。それを裏切られた!と。嫌な感じの裏切りではないのですが、なるほど一発芸ね…と頷けます。

フランスが舞台のミステリー小説で、ミステリーはほとんど読んでいない私が読んでも面白いので、本格ミステリファンが読むともっと面白ポイントが目白押しなのだろうと思います。一発芸がどうのを抜かしても、魅力あるキャラクターや心理描写が上手いので読みやすく話に惹き込まれました。

それと、解説の杉江松恋氏が「文章を書くということはある事を書かないということでもある」というようなことを書いてらして、なるほどと腑に落ちました。書かないことの中に意志が潜んでいる場合があるのよね。
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