花日和 Hana-biyori

約束のネバーランド 完結巻

漫画『約束のネバーランド』(原作 白井カイウ/作画:出水ぽすか/集英社・ジャンプコミックス)最終20巻まで読み終わり。


鬼の食用児として育てられた子どもたちが施設から脱出し、真の自由を目指して模索と闘争を繰り返すファンタジー。

最初はまた物騒な設定で嫌ねえと思っていたが、子どもたちと大人、鬼たちとの知恵比べのような側面が面白くて引き込まれた。食用児たちが受けている扱いは、自分たち人間が家畜にしていることとまるで同じで、後ろめたさも感じつつ。

(以下ネタばれ)

ただ違う点は、鬼は人間を食べないと形や知能が保てず退化してしまうこと。これ(食用プラント)を鬼の王政が管理統制することで民衆を支配下に置いた。単に美食を貪るためだけではなく、本当は飼育や殺戮を繰り返す必要がなかったとしても、私利私欲のために利用し続けたのだ。

この既得権益を守るために権力者が庶民を犠牲にする構造、嘘のようなホントの話でもありゾッとさせられた。

個人的にぐっときたのは、グランマ・イザベラ(飼育員の長)が鬼やラートリー家を裏切り、ママたち(飼育員)を味方につけた場面。ママたちも食用児飼育システムの犠牲であり、本当は子供たちを「普通に愛したかった」という本音が切なかった。

エマは最後まで良い子で、勇気があって諦めないという点がジャンプ漫画らしかったけれど、それを女子の主人公がやるのが時代を感じた。ギリギリ鼻につきそうな良い子ぶりだったけれど、それを凌駕する賢さと行動力が、物語を力強く引っ張っていたように思う。ラストはいい終わり方だった~。
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