『行き男』

こんにちは、やや半次郎です。

北朝鮮のミサイルが飛んで来ようと言う時に、こんなのん気なネタですいません。
まぁ、笑いを失くした国には、発展は有り得ないでしょう。

我が国が発展するよう、早速、“やや半の可笑しな世界”をお楽しみ下さい。

………………

『行き男』

急がなくっちゃ！
遅れる、遅れる！
遅刻スレスレ！

えっ、お前は不思議の国のアリスのうさぎかって？
長～い突っ込み、ありがとよ～！

答えは短く、「違います。」

あのさぁ、俺はね、行かなくちゃならない男なんだょ。
みんなは俺のこと“行き男”と呼んでんだぜ。
“ゆきお”じゃねぇよ、“ゆきおとこ”だよ。
何、“ゆきお”って？
面白過ぎんじゃんよ～。

…でもな～、俺がそう言うと、大抵、あの巨大な類人猿のような“雪男”と誤解されるんだよな～。
音が同じだから…。

けど、そんな小せぇことでクヨクヨしてんのもなんだろ？
だから気にしないことにしてるっつぅワケょ。

ホントは、“行かなくてもいい男”なんだょ、俺は。
それを行くんだからさ～、御の字じゃんかよ～、ねぇ？

で、どこへ行くのかって？

お前ねぇ、失礼じゃねぇの？
いきなり会ったばかりで長ぇ突っ込みをくれたかと思ったらよぉ、今度は行き先まで訊くのかよ。
俺のすることに興味あんの？

まさか、俺に気がある？
…マジか？

「ないない」…と叫んで逃げて行きやがった。（笑）

しかし、世の中にはおかしな野郎が多いねェ、ヤンなっちまうぜ。
昨日なんか俺んちに電話が掛かって来てよぉ、俺が出たんだわな、「はいッ」つって。
俺しか居なかったからよぉ。

そしたらそいつ、何かの営業でよぉ、なんちゃら会社の何々ですとか言う訳よ。
でね、俺の声聞いてよぉ、「お父様はいらっしゃいますか？」っつぅんだわ。
何か変じゃねぇ？

俺のオヤジは田舎に居るし、オヤジに用があるならオヤジんちに電話掛けりゃぁいいじゃんよぉ。
それを俺んちに掛けて来てオヤジ居るか…って、あんたはアンケート屋さんですか？…って言う話だわな。

…な？
…。

何で無反応なんだよ。
リアクションしろよぉ。
俺、何か間違ったこと言ったか？
心配になんじゃんよ～。

そんでよぉ、そいつにかましてやろうと思ってよぉ、「オヤジは居ますが、もう１０年ほど前にあの世に旅立ちました」っつったんだわ。
オヤジを殺しちまった訳よ、俺。あははは…。（笑）
田舎で元気に息をしているオヤジをよぉ。
ヒデ～息子だよな、俺って。あははは…。（笑）

したらさぁ、その何とかって言う野郎がね、「あなたはどなた様ですか？」って訊くんだよ。
おかしいだろ？
俺んちに掛けて来たんだぜ、そいつ。
俺が誰だか分かってなくて掛けて来てんじゃんよ～。
超ウザイよ～。

でね、そんなに何度もやられっ放しじゃぁたまんねーからよぉ、またかましてやったんだわな。
「わちきは、花魁でありんす。」とかなんとかね、そう言ってやったんだよ。

そしたら、その野郎がブチ切れてよぉ、「そんな訳ないでしょ。冗談は止めて下さい！」ってマジで怒ってんだよ。

こっちは、そんなこと言われてもよぉ、掛けて来たのはあっちだし、用件が分からないからおちゃらけただけじゃんよぉ、なぁ？

…って、おい、眠いかよ！
俺の話し聞いて眠くなったか？

これから、何で俺が「行き男」って呼ばれるようになったか話すんだけどよぉ、聞く気ないか？

何だよ、そんじゃぁ、取っておきの話しを出すとしようかな。
シラフで喋るのは結構、大変なんだけどな。
この話しを聞いたら、お前ら眠れねぇぞ。

何、聞けない？
何でだよ？

えっ、よい子の寝る時間？

えっ、マジ？
もうそんな時間？
じゃぁ、俺、もう寝なきゃいけねぇじゃねぇかよ～。
マジかよ～。
勘弁してくれよ～。
ホント、頼むわ。

じゃ、俺は帰るけどよぉ、お前ら、明日もこの公園に来いよな～！
この話しの続きをするからよぉ。
約束したかんなぁ！

あっ、そうだ。
あっちゃんさぁ、今日の算数の宿題、教えてくれよぉ。
後でお前んちに行くからよぉ。
頼むわ。

By やや半次郎