半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
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『うなぎ』

2012年05月11日 12時31分56秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

早速、やや半次郎の世界をお楽しみ下さい。

・・・・・・・・・・・・

『うなぎ』

俺は何でも知っているサダオだぁ。

・・・と言うようなものの、ホントに知っていることは少ない。知ったか振りをしているだけの男だ。
サダオと言うよりダサオの方が合ってると言われる所以だ。

それなのに、何を血迷ったのか、色んなところから見知らぬ人が表敬訪問に来る。
昨日なんか、アジスアベバから来た人がいた。
一昨日の人は富士見町三丁目からだった。どこの富士見町なのかは未だに分からない。

それだけでは話が詰まらないので、「北からはまだ来たことが無い・・・」とか言っておこう。

それでは、話のついでに俺の知ったか振りがどの位のレベルなのか、教えてあげよう。

例えば『うなぎのオスとメスはどうやって見分ける?』と尋ねられたとする。
当然、俺は知らない。
しかし、知らないとは絶対に答えない。ンでもって、違う角度から答えて行くんだ。

『うなぎのオスメスも重要だがな、オススメスポットも重要だぞ』とか言ってみる。
ホンのジャブ程度の駄洒落だ。

すると大抵の奴らは『それがどうした!』とか『こんな時に不謹慎な!』と言うような顔をする。
洒落の分かる奴は大体が俺のところになんか来ないからな。

そんで俺はすかさず、『それが人にモノを尋ねる態度かッ!』とかと大声を張り上げてみせる。

大抵、質問に来た奴らは怯む。
洒落の分からん奴らのすることは大抵、判を押したように同じだ。
そのタイミングを逃さず、トントントンと畳み掛けるように理詰めで説教する。

ここが肝心なんだが、少々辻褄が合わなかったり的外れだったりしても、理詰めなんだと思い込むんだ。人間は思い込んだら強くなるんだ。

で、質問に来て説教されたんじゃ適わんと、みんな蜘蛛の子を散らすように退散する。
・・・おっと、ここにも知ったか振りが入ってしまった。俺は実際に“蜘蛛の子”なんぞ見たことがないんだ。

それにしても、俺の知ったか振りは天才的に上手いと来ている。我ながら凄いと思う。
何故なら、物心のついた頃から一度たりとも『知らない』という言葉を発したことがないんだから・・・

堂に入ったものだろ?
「どうだ!」とか言っておこう。

ところで、人生の成功なんてものは、物事をたくさん知っているか否かに関係なしに訪れるものなんだ。
つくづくそう思う。ここではさらっと「ツクヅクボウシ」とか言っておこう。

逆に言えば、物事をたくさん知っていたところで、成功するとは限らないものなんだ。
真面目にやっても、成功しないヤツもいれば、油を売っていても成功するヤツがいる。・・・ガソリンがこんなに高くなったから、油を売るのが商売になるんだ。

成功者の一例として、こんな例を上げてみよう。
例えば・・・、アンパン以外のあらゆることを知っていてもアンパンを知らない男にゃ、アンパンのお店を出して成功することは難しい。そうだろ?
ちょっと恣意的か?

では、これではどうだ。
「アンパンはパン屋とあんこ屋が結婚して初めて上手く行く商売なんだ」とか言ってみる。
ワザとらしいか?

時々、史実なども織り込みながら知ったか振りをするんだ。

ではもう一丁、こんな例ではどうだ?
うなぎのオスメスの区別がつけられる人が居たとする。
その彼が、うなぎ屋を開いたところで儲かるとは限らないだろ?

何故なら、「うなぎ屋は開けても、うなぎを開くことは出来ないんだから」とか言ってみる。
どうだ、上手く言えただろ?

「だから俺は知ったか振りを続けて、世の中を平和にするんだ」・・・とか言ってみる。

どうだ、素晴らしいだろ?
・・・とか言ってみる。

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