こんにちは、やや半次郎です。
季節はすっかり春になってしまいました。
今日は花粉がたくさん飛散しています。
他に、黄砂やPM2.5なども…。
そんな危険なことはしばし忘れて、早速、やや半次郎の可笑しな世界をお楽しみ下さい。
………………
『梅干しの実る木』
ワシは長いことこの山に棲んでおる者じゃ。
今日は、この山にある不思議な木の話をして上げよう。
まぁ、ゆっくり聞いてくだされ。
その木のどこがどう不思議なのかと言うと…。
うぉっほん、…梅の木があると思いなさい。
…そんなに偉そうに言うことではないがな。
その梅の木が少々変わっているのだ。
どう変わっているかと言うと…。
先ず花が咲くなぁ。
それが2月~3月上旬ってところだ。
そうして5月か6月頃になると、実がなるんだ。
もちろん、梅の実だ。
ま、ここまではフツウだ。
何も変わっておらんな。
その梅の実がなかなか落ちて来ない。
落ちて来ないので、そのまま放っておく…と、そう思いなさい。
…と、梅はどうなると思う?
木になった梅の実だぞ。
普通は腐ると思うよね?
ところが、さにあらず。
その木になった梅の実は腐らない…と来たもんだ。
…で、どうなると思う?
そう、これが不思議なことに、“梅干し”になるのじゃよ。
ビックリだろ?
木になったまま梅干しになるんじゃよ!
ワシは今まで生きて来たが、梅干しのなる木を見たのは、後にも先にも、その木だけじゃ。
その木の100mほど先にも梅の木があるんじゃが、そこには梅干しはならんのじゃ。
普通の梅の実じゃ。
どうじゃ、不思議じゃろ?
ワシは、いつもその木になった梅干しを収穫して食べておる。
だから、梅干しはお店で買ったことがないんじゃ。
その梅の木の周りは、不思議なことが多くてな、ある年には周りに大豆がなってな、そろそろ収穫して食べてみようかと思っていたら忘れてしもうて、気がついたら納豆になっておった。
誰が何をした訳でも無いのに、藁にくるまってなっていたんじゃ。
似たような話は他にもまだある。
その梅干しの木の3m隣に何の木だか分からない木があってな、その木には、缶詰めがなるんじゃ。
缶詰めじゃぞ。
サバの味噌煮とかイワシの蒲焼きとかの、あの缶詰めじゃ。
絶対におかしいと思いつつ、貴重な蛋白源なので、ちょくちょく貰っておるがな。
こんなおかしな木は、ここだけにしかないだろうなぁ。
どうせなら、酒がなる木があったら嬉しいのじゃが…。
一升瓶でのぉ…。
それにしても、なんであの梅の木の周りだけ、おかしなものがなるのかのぉ?
もしかして、ちょくちょく見掛ける妖精のような小さな人間が関係しておるのかのぉ?
10cmくらいの小さな人間なんじゃが…。
by やや半次郎
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