半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『天国と地獄』

2013年01月11日 12時45分32秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

早速、やや半次郎の可笑しな世界をお楽しみ下さい。

………………

『天国と地獄』

私が今居る所、つまり此処は天国だ。
天の国と言うくらいだから、地球の外にある。

そして今、君たちが居る所、そこは地上だ。

となると、地獄は君たちの立っている地面の下と言うことになる。
…だろ?

それでだ、地獄にゃ番人が居る。言わずと知れた鬼だ。
赤鬼だか青鬼だか知らんが、鬼が居る。
牛頭馬頭が居る。
それより何より、例の閻魔大王が居る。みんなも知っているだろ?

他にもたくさん居る。
みんなおどろおどろしい奴らばかりだから、余り顔を合わせたくない。

しかも景色が最悪だ。
血の池や針の山だ。
そんな恐ろしい所が、この地面の下に在るのだ。

みんな、怖いだろ?
恐ろしいだろ?
地獄になんか行きたくないだろ?
出来るだけ避けたいよね?

でも、地球上には引力がある。
だからそのまま何も策を講じなければ、地球の中心、つまり地獄の方に引き寄せられてしまうのだ。

大抵、罪を犯した奴らが、「魔が差した」と言っているだろ?
あれなんかモロに閻魔大王ら地獄の連中の仕業なんだぜ。
だって魔が差さなけりゃ罪を犯すことは無かったんだ。
“魔が差した”のは“魔を差した”奴らがいたからに違いない。
だろ?

“魔を差した”のは閻魔大王たちに決まっている。
引力に釣られて地獄に集まる有象無象だけでは足りないのだろう。

だから地獄に行きたくなければ、奴らの悪巧みに引っ掛からないことだな。

天国に行くような、余程良い行いをすることは普通の人間には難しい。
でも、少なくとも地獄にだけは行かなくて済むような行いを心掛けておかなければならない。

では、どうすれば地獄行きを免れるのか?
それをみんなに教えてしんぜよう。

まず第一に、人に甘い言葉を掛けるのは禁物なのだ。
大抵、甘やかすと悪くなるだろ?
人を育てようと思ったら、極力厳しくすることだ。
体罰だって必要さ。

第二に、困っている人には徹底的にアドバイスするのだ。
向こうが聞こうとしなくても強引に教えるのだ。
知っていることも知らないことも、親身になって相談に乗って上げるのさ。
親切にすることは悪いことじゃないだろ?
疎まれるくらいがちょうど良い。
もし自分の知らないことを相談されたら、適当に誤魔化しておけばいい。
自信満々に答えれば、問題ないだろう。

第三は、お金を回すことだ。
回すと言うのは遣うこと。
経済の活性化なくして天国行きは有り得ない。
欲しいモノも欲しくないモノも、買って買って買いまくるのさ。
稼いだお金を、遣って遣って遣いまくればいい。
そうすれば、生産者も販売店も潤い、人助けになるだろ?
それは浪費とは違うのだ。
人助けなのだから。
どのみち、自分で稼いだ金だ、どう遣おうが勝手だからな。
だろ?

「お前は何者だ!」

な、何だよ突然。(汗)
俺は、…なんだよ、…天国から来た神の使いよ。

「嘘つけ! 神の使いなら天使じゃねぇか。天使が悪をそそのかすか!」

悪だなんて人聞きの悪い…。
俺は人として正しい道を教えているのだ。

「嘘つけ! アンタの言う通りにやってたら、天国じゃなくて地獄に行っちまうだろうョ。天国の使いじゃなくて地獄の使いじゃねぇのか?」

(ドキッ)…バレちゃあしゃあねぇや。
あぁ、お察しの通り俺様は地獄から来た閻魔大王の使者よ。
地獄は今、落ちて来る人間どもが少なくなって、働いてる仲間が職にあぶれてしょうがねぇ。失業率の高さは半端じゃねぇからな。

いや、地獄に来るべき悪人は沢山居るんだ。
だがな、この国はなかなか刑を執行しないんだ。

しかも、そいつらの被害者はみな善人ばかり。
みんな天国に行きやがる。
天国で働く奴らは仕事が一杯あって、裕福な暮らしをしている。
なのによぉ、俺たち地獄で働いてる者は、いつまて経っても楽な暮らしは出来ねぇ。

だから、少しでも地獄に来る人間の候補を増やしておきたかったのさ。

でも、もう止める。
もうその必要も無くなったようだ。
何せ、この間の選挙で、地獄の閻魔大王より怖いタカ派の総理が復活したからなぁ。
万一、戦争にでもなれば、地獄にも大勢の人間が落ちて来るだろうからな。

奴をそそのかした方が近道ってもんだなぁ。
だろ?

じゃあな、あばよ!

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