半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

夏の終わりに・・・

2006年08月30日 12時45分00秒 | 詩・メルヘン
こんにちは、半次郎です。

今日は蒸し暑いですね。
まだまだ暑さは続くようです。

明後日から9月。
昨日に引き続いて、夏の終わりの寂しさをテーマに・・・。


     『手』 詩:山村暮鳥

     しつかりと
     にぎつてゐた手を
     ひらいてみた

     ひらいてみたが
     なんにも
     なかつた

     しつかりと
     にぎらせたのも
     さびしさである

     それをまた
     ひらかせたのも
     さびしさである


この詩の“さびしさ”が分かるような気がします。
自分のこの手で掴んだものは、一体なんだったのか。
・・・何も見出せない。
元々自分の手の中には何もなく、掴んだように思えたのはただの錯覚。

“故郷に錦”と希望に燃えていた頃と、くたびれた中年オヤジになった今とでは、“さびしさ”の種類は違っています。
当たり前ですが、“さびしさ”も移り変わるのですね。

手を握る“さびしさ”と、握っていた手を開かせる“さびしさ”。
そして、何もなかった時の“さびしさ”と・・・。

                               from 半次郎


最新の画像もっと見る

post a comment