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半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『休刊』

2012年06月01日 12時07分19秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

早速、やや半次郎の世界をお楽しみ下さい。

………………

『休刊』

「先生、休刊です!」
「おぉ、看護婦Aよ、ここは間違っても病院だ。そして私はドクターCだ。このシチュエーションで“きゅうかん”と言ったら、誤解してストレッチャーを用意してしまうだろぅ! 気を付けネバダ。」
「分かりました、ドクターC。」

「それよりも、新聞はまだか? さっきから言っておろうに。」
「先生、新聞が休刊なんです。」
「看護婦Aよ、まだ分からぬのか! 新聞が急患で来たところで、ワシには手も足も出ぬわ。人間も治せぬのに…。」

「ではドクターC、どう言えば…?」
「おぉ、看護婦Aよ、新聞は休みだと言いなさい。」
「ではドクターC、新聞は休みです。」
「そうか、致し方ない。それでは、しばし図書館に行って来るで…。」
「先生、休館です。」
「男か、女か? 傷の程度は?…って、さっきも言うたであろぅ、急患と間違って聴診器を探してしまったではないか。看護婦Aよ、気を付けたまえ。」
「ドクターC、この場合は何て言えば…。」
「図書館は休みだ、で良い。それだけで事足りる。何も休館だなんて専門用語を遣わずとも良い。」
「分かりました、ドクターC。」

「看護婦Aよ、珍しく先週来た患者のカルテを見たいんだが、どこにあるかな?」
「それならば旧館です。」
「おっと、おいでなすった。年寄りか、若者か? 脈はあるか? 息はしておるか?…って、こらッ、何度言わせるんだ! 急患と間違えてメスを握りしめたではないか。」

「ドクターC、この場合は何て言えば…。」
「この場合はだなぁ、え~と、建物が休み…ではないし、図書館でもない、新聞でもない…。」
「旧館ですよ。」
「傷は浅いぞ、しっかりしろ! 酸素吸入の準備だ!…って、何で~?。何でまたわざわざこんな慌ただしい時に、同じ言葉を言うのだ!」
「ドクターC、この場合は何て言えば…?」
「この場合はだな…、ちょっと待て。うん分かった、古い建物の方と言えば良いんだ。分かったか、看護婦Aよ!」
「分かりました、ドクターC。」

「看護婦Aよ、その古い建物の方に行って、カルテを持って来てくれないか。」「分かりました、ドクターC。」

「カルテを持って来ました。」
「おぉ、ご苦労であった看護婦Aよ。」
「先生、あの古い建物の方には九官…。」
「来やがったな、盲腸か、腸捻転か? まさか複雑骨折じゃないだろうな? 開業してから一度も整形外科の患者は診たことがないぞ…って、看護婦Aよ、わしゃもう疲れたぞよ。ここまでくると遊ばれているような気になるのぅ。」
「ドクターC、最後まで聞いて下さい。古い建物の中に九官鳥がいたんです。何で九官鳥がいるんですか?」
「何と紛らわしい。わしはまた、急患の蝶かと思うたぞ。診てあげても良いが、診察料をどこに請求すればよいのか分からんからのぅ。がはははは~。九官鳥かぁ…分からん。何でいるんだか…。作者の都合じゃないか?」

「ところで先生、今月はまだ患者が1人だけですが…。どうしましょう?」
「看護婦Aよ、先月は何人だったかな?」
「ドクターC、先月は0です。因みに、一昨年の春以来0が続いていて、先週、道に迷って入って来た人を無理やり診察したのが3年振りの患者です。」

「それでは看護婦Aよ、この病院をたたんでしまおう。」
「ドクターC、たたんでどうするんです?」
「あとは、休閑地としておこう」

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