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半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『3千円の男』

2013年02月22日 12時14分16秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

毎日寒くて嫌になりますね。
光熱費の為にも、早く暖かくなってくれると良いのですが…。

何はともあれ、明るく元気に生きましょう!

それでは早速、やや半次郎の可笑しな世界をお楽しみ下さい。

………………

『3千円の男』

俺は自他共に認める“3千円の男”だ。
そう呼ばれるには訳がある。

3千円と言えば高額だ。
特に昨今は、世の中のあらゆるモノが3千円を基準にして成り立っている。
それだけに、この俺は3千円に拘って生きているんだ。

巷で飲みに行けば、大体3千円だ。
尤も、それ以上の金額だと払えないがな。

グリーンジャンボは、10枚で3千円だ。
それで何億円も当たるかと思うとゾクゾクするだろ?

それでは、3千円を10倍してみよう。
すると3万円になる。
大体、今の世の中、ナニをナニすると3万円だ。
ちょっとアレをアレしただけで、3千円の10倍も取られることになる。
矢張りここでも3千円が基準になっているのだ。

また、一般的な社長の年収は、3千円の1万倍の3千万円が相場だ。
会社の業績によりピンキリではあるが、概ねそうだと言っても過言でない。

俺には想像が出来ないくらいの金額だが、それで会社の経営が成り立つのなら文句は言えまい。
ここでも3千円が基準になっているのが分かる。

因みに、俺の時給は3千円だ…と言いたいのだが、実はその半分程度だ。(苦笑)
時給だけで言えば、俺は“半分の男”だ。
トホホだろ?
全く、トホホだ。
基準はあくまでも3千円だからな。

だがしかし、3千円を笑うでないぞ!
いいか、3千円を笑う奴は3千円に泣く。

3千円の男であるこの俺が言うのだから間違いない。
この俺はいつも泣いている。
過去に3千円を笑ったことがあったからな。

想像してみてくれ、大の男が3千円に泣いているんだぞ。
情けないだろ?

…ちょっと誤解されるといけないから、ちゃんと説明しておくが、3千円に泣くと言っても、目の前に3千円を置いて泣いているのではないぞ。
目の前に置く3千円が無いから泣くのだぞ。
こんな哀しいことは無いだろ?

3千円あれば、社員食堂で一週間分の昼食が食べられるからな。

…ゴホン、またまたちょっと誤解されるといけないから、ちゃんと説明しておくが、一度に一週間分の昼食を食べる訳ではないからな。
俺はジャイアント白田ではないぞ。
もちろん、ギャル曽根でもない、いいな。

あぁ、考えれば考えるほど3千円は高額だ。
潔いほど高額だ。
“スッキリとした高額”と言ったら分かり易いだろうか?
“喉越し爽快な高額”と言ったら…、分かりにくくなっちゃったか?

話を元に戻そう。
いいか、3千円は高額だから、3千円が手元に無くても恥入ることはない。
千円が手元に無いのとは訳が違うんだ。

千円が無いときは、「ちぇっ、千円も無いのかよ!」と自暴自棄になるだろ?
でも3千円だとそうはならない。

振り返ってみるに、俺が最初に3千円に接したのは、一体いつの頃だったのだろう?
子どもの頃は3百円が世の中で一番高額だと思っていた。

いや、実際、300円は高額だった。
何せ、100円の高級アイスが3個も買えるのだから…。

そんな子どもだったこの俺が、立派な大人になったのは、丁度バブル経済真っ只中だった。
だから、この俺も“3万円の男”だった。
今より10倍も高い男だったのだ。
バブルの申し子と言ってもいいだろう。
俺自身は何も変わっていないけどな。

そうそう、あの頃は何をするにも3万円の時代だったのだ。
言葉を変えて言えば、3万円あれば何でも出来た時代ということだ。

実際、何をするにも3万円で事足りた。

家賃も3万円だった。
誰も住まないような、古びた小汚い部屋が3万円だぞ。
信じられないだろ?

後になってバブルが崩壊した時に、そのアパートも崩壊した。
きっと、アパート自体がバブルだったんだろう。

それから、ナニをナニするのも3万円だったし、アレをアレするのも3万円だった。
これは今でも変わらない。
…不思議だ。

ゴホンゴホン、その話は置いといて…、と。

そんな“3万円の男”だったこの俺が、あれよあれよと言う間に3千円の男に成り下がってしまった。
ホントに坂道を転げ落ちるみたいだった。

転げ落ちた当初は情けなかったぞ。
自暴自棄にもなったさ。
3千円の男と思われないように、見栄を張ったことも何度かあった。

だがな、俺は今、3千円の男であることを誇りに思っている。
3千円の価値を十分に知り尽くしているからな。

昨今の経済情勢を鑑みれば、3千円の価値は決して低くない。
そう、今の時代の不況が、3千円の男に価値をもたらしてくれたんだ。
言わば、時代が俺に追いついたのだ。

どうだ、3千円の男って、素晴らしいだろ?
君たちも、3千円の男になってみないか?
取り敢えず、この申込書に名前を書いてくれるかな?

えっ、嫌だって?

イヤなの?
…どうしても?

あぁ、3千円の男は勧誘活動に向かないかも…。

by やや半次郎



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