こんにちは、やや半次郎です。
早速、やや半次郎の世界をお楽しみ下さい。
………………
『金田二の事件簿』
「夜明け前の静寂を切り裂くような悲鳴が響いたのは、古くからの商家が軒を連ねる街道沿いの立派なお屋敷だった。
おそらく土地の名家だろう、そのお屋敷だけが、他と違って建蔽率がハンパない。」
あぁ、ダメダメ、“建蔽率”なんて言葉は殺人事件の書き出しに合わないよねぇ。だからその後に“ハンパない”なんて言葉が出ちゃうんだよな。
あっ、紹介が遅くなりました。僕は“金田一の事件簿”の作者、金田二です。
よく誤解されるのですが、“金田一少年の事件簿”ではありません。
しかも、僕の小説は実の兄が主人公なんです。みんな“きんだいち”と読むのですが、それは間違いで、兄は“かねだはじめ”と言います。
だから、“かねだはじめの事件簿”が正しいのです。
でもそれだと売れないのが見え見えなので、あえてルビは振らないようにしています。
あっ、僕の名前の読み方もついでに言っておきますね。金田二と書いて“かねだふたつ”と言います。どうぞよろしく。
そうそう、今度、僕の事件簿を書こうと思って、冒頭部分を書き出したのですが、どうも気に入らなくて…。
“建蔽率”とか“ハンパない”とかはあまりミステリーに相応しくないような気がしてね。“お屋敷”という言い回しも変だよね。“屋敷”でいいよねぇ。
いや待てよ、それよりも冒頭の“夜明け前の静寂を切り裂く”の方がおかしいか…。
殺人事件なのに冒頭で“切り裂く”なんてショッキングな言葉を遣ってしまったら、その後に出てくる死体はどんな風に表現してもインパクトが弱くなってしまうよな~。
しかも、“街道沿い”に“古くからの商家”なんて、そんな古い街並みが今の日本にあるのかね。何時代の話なんだっつうの。
いやいや、“古い商家”と言っている訳じゃないから、いいのかなぁ。
“古くからの商家”だから、建物が近代化されててもいい訳だよねぇ。問題なさそうだぞと。
あぁ、すいません。僕はいつもこんな風に推敲を重ねていると言うか、優柔不断と言うか、なかなかこれだと決められなくて…。
“金田一の事件簿”を書き上げた時だって、書き始めてから20年と3ヶ月半掛かってますから…。
今書いている物語が同じ年月掛かるとしたら、合わせて40年。趣味だから出来るようなものの、仕事としてやるには効率が悪過ぎるよね。
完成はいつのことだろう…。
まぁ、期待しないで待ってて下さい。
…って、誰も期待してませんでしたね。
あぁ、とても悲しい現実を思い知らされてしまった。
現実は小説より残酷だヮ。
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