半次郎の“だんごんがん”

要するに、居酒屋での会話ですね。
ただし、半次郎風のフレーバーがかかっています。
≪安心ブログ≫

『江戸前ツッコミ』

2013年03月29日 13時09分13秒 | ★ やや半次郎の世界 ★

こんにちは、やや半次郎です。

“やや半”がお届けする可笑しな世界。
桜も笑って散って行くそうな…。

早速、お楽しみ下さい。

………………

『江戸前ツッコミ』

はい~ィ、お待たせしました~。
…って誰が待ってんねん。
俺らは無名な漫才師やで。
…ま、そやけど、これは決まり文句やさかいしゃあない。
諦めて受け流しといてんかぁ。

さて、今日は、ツッコミを極めようと思うてますぅ。
…で、ツッコミ言うたら、いや漫才言うたらや、ホンマ、関西に敵うもんはないで~。
そのレベルの高い関西でも、俺らのライバルは他に居らんねん。
自分自身がライバルや。

そやから、自分自身の芸を極めるんや。
それだけが生き残る近道や。
そやから、ツッコミを極めるんや。

しかも、関西人にとってツッコミは、生まれた時から既に完璧に身に付いてるやんかぁ。
ほんなんで、今日は江戸前のツッコミを身に付けようと思うとるんや。

江戸前の落語は粋で鯔背な、憧れの世界やんかぁ。
それに比べて、江戸の漫才の何とツマラナいこと。
いや、オモロい漫才師もおりまっせ、そらぁ。
せやけど、だいたいがオモロない。

だから、今の漫才師から学ぼうとは思わん。
俺らは、江戸前の漫才師が活躍していた頃の、伝説の漫才師から学ぶんや。

えっ、誰なんか教えてくれやて?

皆さん知っとりますやろか?
“Wけんじ”ちゅう漫才師。

こらぁオモロかったなぁ。
“バカだなぁ”言うときの東けんじはんのボケと、“やんな!”言う宮城けんじはんの鋭いツッコミに、腹を抱えて笑うた笑うた。

えっ、彼らは江戸前じゃないやて?
訛りがあんの?

あっ、あ、そうかぁ?
それは気付かんかったわ~。
あっ、そうなん?
ショックやわ~。
これから一生懸命にお手本にして頑張ろう思うてたのに。

栃木と宮城?

あっそう。
U字工事と同じ栃木?
サンドウィッチマンと同じ宮城?

いや、けっしてU字工事やサンドウィッチマンが下手な漫才師ではないけど、Wけんじには敵わんわ。

それならしゃあない。
江戸前のツッコミを極めるんやさかい。

…他では晴乃チック・タックかなぁ。
そらぁ、おもしろかったで~。
鼻に掛かった声で“いいじゃな~ぃ”なんて言うギャグ、一世を風靡したもん。

…でも、ツッコミはそんなに派手やなかったなぁ。
喋りは上手かったようやけどな。

あぁいうあっさりとしたツッコミは、話術の力がないと出来ないしなぁ…。
参考にならんなぁ。

他では、獅子てんや・瀬戸わんや。
この人らもオモロかったで~。
昔、ひょうきん族で流行った「た~まごの親じゃ、ぴよこちゃんじゃ~。ピッピッピヨコちゃんじゃ、アヒルじゃガーガー。」ちゅうギャグのオリジナルやってんで~。
そらもう、笑うた、笑うた。

その他にもオモロいネタがぎょうさんあって、「なんで行ったの?」と尋ねるネタは、笑うた、笑うた。
理由を尋ねる“なんで”と、手段を尋ねる“なんで”を取り違えるネタなんやけど、わんやさんの禿アタマから、湯気が出てるように思えたもんや。

…そやけど、ツッコミはわんやさんをイジメてるだけのオモロないもんやった。
参考にならんなぁ。

他では、青空千夜・一夜かな。
俳句のネタで、小林一茶の句を披露しながら「一茶かホイ」と言わはってたんを覚えとります。

これも、ツッコミは弱かったなぁ。

後では、その千夜一夜の師匠にあたるコロンビア・トップ、ライトですわ。
僕ら勉強になりますけど、ワンワン受けとるのを観たことないんやけど、聞き終わったあとホンワカとした空気に包まれて、江戸前を感じたもんや。

…そやけど、ボケ言うても阿呆らしいボケやのうて、インテリ風なんやわ。
また、ツッコミの方も相方の話しの腰を折らんよう、控え目なツッコミをしはってたんとちゃうやろか。
これでは笑いは取れしまへん。

そこが東京と大阪の違いなんや。

そやけど、落語中心の東京で、噺の邪魔にならんようにするには、そうするしかなかったんやろな。

そう見てみると、ツッコミらしいツッコミは、Wけんじくらいかなぁ。
「やんな!」をマスターするとするか。
「やんな!」100回!
やんな!、やんな!、やんな!、やんな!、やんな!…。

「あのなぁ、“やんな!”はなぁ、ボケの東けんじの方の台詞だぜ。」

えっ?
え~~っ?
ほな、わいはツッコミやのうて、ボケの練習をしとったんかいな?

もういいわ、やめさせてもらうわ。

by やや半次郎



最新の画像もっと見る

post a comment