こんにちは、やや半次郎です。
今日は木曜日ですが、登場してしまいました。
勿論、明日も登場する予定です。
それでは、やや半次郎のおかしな世界をお楽しみ下さい。
………………
『カッパの屁』
オレ様は河童だ~。名前はみどり。河童の世界じゃ、ちと名の知れた男だ。
人間はオレたち河童を化け物や妖怪の類いと思っているようだが、元は同じところから進化した、言わば兄弟だ。
陸に棲むのが人間で、川や沼に棲むようになったのが我々だ。
おっと、そんなことはどうでもいい。
オレ様がわざわざ人前に出て来たのは、人間界で遣ってる言葉が気に入らないから、それに対するクレームをつけるためだ。
いいか、これから話すことをよ~く聞けよ。
人間界では我々河童を扱った言葉がいくつかあるようだが、その言葉がどうにも気に入らない。
『河童の屁』という言葉があるだろう?
あれは『たやすい』という意味らしいが、我々河童が屁をするところを見たことがあるのかい?
ないはずだが…。
我々は、人間とは棲む世界が違うからな。想像すら出来ないと思うんだ。
我々河童は、陸では絶対に屁をたれん。
みどり思うのやけど、『河童の屁』なんて言葉は人間がいい加減に創った言葉で、ほとんどギャグやないかしら。
あれ~?
言葉遣いがちょっとおかしいやんか~、みどり変なん?
あっそうか、水、頂戴!
お皿を湿してッと、これでヨシ。
ゲホン、ゲホン。
水分が足りなくなると、変な話し方になる。
どこまで話したかな?
そうそう、河童は陸では屁をしないから、人間には放屁の現場を見られていない筈なんだ。だから『河童の屁』は人間が勝手に創作した言葉に違いないんだ。
それだけじゃない、人間は他にも我々河童を使って言葉を創っている。
『屁の河童』がそれだ。
業界用語風にひっくり返した訳じゃなく、ホントにある言葉だ。
しかも驚いたことに、『河童の屁』と意味が同じなんだ。
『河童の屁』と『屁の河童』が同じ意味だなんて、絶対におかしい。
みどり思うの、それならば一つの言葉で済むやん…って。
こんなん、ただのムダやん…って。
あれ~?
また変よねぇ、水頂戴、水!
…ありがとう。はい、すんまへん。
ゲホン、ゲホン。
今日は乾燥してるせいか、よく乾くなぁ。
それで…、『河童の屁』と『屁の河童』が同じ意味で使われるのは、我々河童の仲間から非常に心外だとの声が上がっている。
例えば、『男の世界』と言う言葉がある。女には分からない男だけのルールやら生き様やら、そういった世界観を表した言葉だ。
ではこれをひっくり返して『世界の男』としたらどうなる?
アメリカ人の男、フランス人の男、日本人の男…とか、そう言う意味になる。
全くもって違った意味になるんだ。
それが普通だと思うのだ。
他にもまだある。
『湖の北』と言ったら方向を指す。
タクシーに乗って運転手さんに、『あの湖の北の方までやって頂戴』といった風に遣う。
でもね、みどり思うの、ひっくり返して『北の湖』になったら、モンゴルに帰った横綱さんになってまうやないねぇ。
あれっ? あれは朝青龍だったかしら?
まぁ、ええわ。そやから、ひっくり返したら別の意味になんのが普通やないかしらって…。
…また、水貰えますか~。おおきに、すんまへんなぁ。
ゲホン、ゲホン。
急に乾きだすから困る。
他にも『秋の京都』なんてどうだろう?
とても風情があって我々河童にも評判のいい観光スポットだ。
ところが、ひっくり返して『京都の秋』となったら…、う~ん…これも、雅な情景が浮かんで来る。
おかしい…、ニュアンスは一緒だ。(汗)
いやまだある。
『B定食のオムレツ』と言うのはどうだ。
それ程高くなく、手頃な値段で食べられて、庶民に人気のオムレツ定食になる。
これをひっくり返して、『オムレツのB定食』としたら…、あららぁ~、あんまり違わない。(汗)
いや、これならどうだ。
『警官の泥棒』と『泥棒の警官』…だめか。(汗)
『三木助の芝浜』と『芝浜の三木助』…う~ん、惜しい。(汗)
『ウィスキーの水割り』と『水割りのウィスキー』…悔しい。(大汗)
みどり思うの、似ていることもあっていいんやないかしらって…。
厳密に言えばおんなしやないけど、似ていることってあるんやないかしら。
『河童の屁』と『屁の河童』も、それと同じやないかしら。
それはそうとみどり、かなり長いこと陸にいたもんやさかい、水分が足りんようになってしまいよった。このままやったら、えらいことになるで~。
みどり帰りますゥ。
どなたさんも、ほなさいなら。
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