2022年10月13日のまにら新聞から
10月13日のまにら新聞から
比は不平等指数最大の増加 コロナ禍で所得格差拡大
2020年、比のジニ係数は0.1以上増加し、世界で最も所得格差が拡大したと世銀報告
世界銀行は12日までに、最新の「貧困と繁栄の共有報告書2022」を公表した。それによると、世界がコロナ禍に見舞われた2020年、フィリピンは所得の不平等を表すジニ係数が0・1以上増加し、調査対象国の中で最も所得格差が拡大した国となった。
比は2020年3月から「世界で最も長く厳格なロックダウン(都市封鎖)」と呼ばれる防疫規制を敷いており、同年4月の失業率は17・7%を記録。世銀はアジア開発銀行の報告を引用しながら「フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでは2020年の第2四半期に若者、女性、未熟練労働者に失業の影響が集中した」と説明した。
同報告書はまた、コロナ禍の影響で「2020年は第二次世界大戦以降、単年で世界の所得格差が最も拡大した年となった」と指摘。2019年に0・620だった世界のジニ係数は2020年に0・626に増加したと報告した。
▽財出は奏功
一方で、同報告書は「コロナ禍で政府による現金給付など積極的な財政出動が有効に機能した」と報告。比は財政出動により、7・6ポイント貧困率の上昇を抑制できたとした。世界全体では財政政策により2・4ポイント貧困率の上昇が抑制された。
しかし、低所得国や比を含む下位中所得国を中心に「コロナ禍で所得を失った脆弱(ぜいじゃく)な世帯の中でも、通常の社会保障制度の対象ではない世帯に支援の手を届けることの困難さが明らかになった」と報告。不法占拠地区住民などインフォーマルセクターが危機下で世界的に十分な支援を受けられなかった傾向を明らかにした。
経済学者のアマルティア・セン氏は危機下では不利な条件に置かれる特定の集団に負担が集中するとし、社会保障とそれをもたらす民主主義の重要性を指摘している。(竹下友章)
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