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2023年11月1日のまにら新聞から

2023-11-01 07:36:19 | フィリピン
2023年11月1日のまにら新聞から

11月1日のまにら新聞から

「想像の100倍すごい」 伊東歌詞太郎さんが比初公演
伊東歌詞太郎さんが、マニラ市のブルックリン・ウェアハウスで、比初公演
https://www.manila-shimbun.com/category/culture/news273620.html

伊東歌詞太郎さんの公演に訪れた、熱烈なファンたち= 27日夜、首都圏マニラ市のブルックリン・ウェアハウスで岡田薫撮影

 「希代の歌い手」として日本や海外の若いネットユーザーの間で人気が拡大しているシンガーソングライターの伊東歌詞太郎さんが27日、首都圏マニラ市サンパロック地区のブルックリン・ウェアハウスで、フィリピン初の公演を行った。日本ASEAN友好協力50周年を記念し、国際交流基金(JF)が主催。前日にはアテネオ大で学生約150人を集めたライブ・質疑応答があり、比では27日が一般向けの初公演。ベトナムでも29日に同様の公演が催された。

 事前予約の無料チケットはすぐに完売し、数百人のファンで埋まった。歌詞太郎さんのトレードマーク「狐の面」に似せた手作りの面を首に下げ、ペンライトを振るコアなファンもいて、日本語の歌詞を一緒に口ずさむなど、初公演とは思えない一体感が会場を包んだ。

 歌詞太郎さんは「サイレントマイノリティー」や「ヰタ・フィロソフィカ」、「パラボラ~ガリレオの夢~」など13曲を、途中からギタリストのYoshi柴田さんも加えて演奏。タガログ語の歌に加え、特別ゲストの比人歌手アルミ・ミリャーレさんとの共演も果たした。

 ライブ後、歌詞太郎さんはまにら新聞に「率直な気持ちを言うと、お客さんの声とかリアクションとか気持ちの飛ばし方が、想像の100倍すごくて、僕も柴田さんも3000%のパフォーマンスを引き出された感じ」で、「一生のうちで、こんなにいい経験ができたことに、ありがとうを伝えたい」と笑顔で語った。


 ▽出会いは10年前

 歌詞太郎さんへの強い思いをSNS上で投稿し、JFの精査を経て、歌詞太郎さんのサインがもらえる約百人のVIP枠を手にしたリンリさん(30)は、筋金入りのファンだ。ハッピ姿で両手にペンライト、自作の狐面に、入り口脇には祝福のスタンド花まで用意。自宅には日本で買った歌詞太郎さんの全アルバムまで取り揃える。

 リンリさんはシンガポールで2013年、コスプレイベントにゲスト登場した歌詞太郎さんを見ていた。「とても力強い歌声が聞こえ、歩いていくと彼が歌っていた。翌年もシンガポールに来ると聞き、すぐにチケットを購入して飛んだ。ライブでは涙が止まらなかった」と回想した。今後は「子狐」というファンクラブを立ち上げる予定もあるという。「この感謝の気持ちが届きますように」と、覚え立ての日本語も披露した。


 ▽「とても耳に残った」

 「ちょっとした休暇には、毎回日本を訪れる」というミリャーレさんは、元所属バンド「アップ・ダルマ・ダウン」時代のヒット曲「タドハナ(運命)」を、琴を弾きながら歌った。まにら新聞に「歌詞太郎さんの曲の中には、タドハナに類似した場面を持つものもあり、とても耳に残った」。そして、ステージでの共演に「新しい試みが好きなので、興奮と同時に緊張感がある」と直前語っていた。

 JFマニラ日本文化センターの鈴木勉所長によると、JF本部が事前に歌詞太郎さんのフォロワーを調べたところ、比人が多かったことが決め手の一つ。「何も知らないまっさらな中でやるのも良いが、すでにネットで知られ、待ちに待った人がいるところに来る」という今回の選択にも触れた。

 公演に合わせてJFは、歌詞の英訳を併記した「豪華版のプログラム」を会場で配布。比人に「良い歌詞を日本語でも味わいたいと感じてもらえたら」との思いを込めた。今回の公演に向け、全日本空輸(ANA)が協賛し、一行には航空機の座席が提供された。


 ▽比料理が大好きに

 今回はマネージャーも含め6人で渡比。直前の記者会見では、比初訪問について、「とにかく食事がめちゃくちゃ美味しくて大好き、とくにシシグが最高。昨晩はジョリビーで食べた」と答え、会場を沸かしていた。

 近隣諸国では韓国、中国、シンガポール、タイ、マレーシアでライブを行ってきたという。前日のアテネオ大では「日本好きの人たちが集まっていたからか、日本の観客に近い反応で驚いた」と振り返った。

 まにら新聞には「中学・高校とミッション系の学校だった」と述べ、ライブ前には会場近辺の大きな教会などを訪れ、「チャペルの建造物を楽しみ、感動した」と明かした。そして、「世界を知らないと作詞も作曲もいつかできなくなると思う。常に世界の動きを探ることがすごく好き」と語る歌詞太郎さん。そこに彼の曲の原点があるのだろう。(岡田薫)

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