11月19日のまにら新聞から
習首席に懸念を直訴 南シナ海問題で大統領 比中首脳会談
米国でマルコス大統領が習近平中国国家主席と会談。大統領は南シナ海での比中船舶衝突など事件について懸念を率直に伝えるとともに、緊張緩和メカニズムの構築や、同海での共同漁業利用についても議論した
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習近平中国国家主席(左)と会談するマルコス大統領=比時間18日、米国サンフランシスコ(大統領広報室提供)
アジア太平洋協力(APEC)首脳会議参加などのため訪米しているマルコス大統領は比時間18日、サンフランシスコで習近平中国国家主席と会談した。大統領はその後の会見で「南シナ海における比中船舶間の問題が、前例のない衝突事故にまで発展したことについての懸念を、習首席に率直に伝えた」と報告。「南シナ海で比が将来果たすべき役割について戦略を練るため、いま『熱を冷ます』ためにできることについて総合的に話し合った」とし、南シナ海での緊張を緩和させるメカニズム作りに向けた協議を行ったことを明らかにした。会談にはマナロ比外相、王毅中国外相も同席した。
先月22日には、南シナ海南沙諸島で比が実効支配するアユギン礁(英名セカンドトーマス礁)への補給任務に向かう比海軍チャーター漁船および比沿岸警備隊船が、進路を妨害してきた中国海警局船、中国民兵船とそれぞれ衝突。今月10日に実施された補給任務で中国は、海軍艦5隻、海警局船5隻を含む過去最多の38隻の艦船で比船舶に圧力をかけ、放水砲を発射するなどの妨害行為を行っていた。
マルコス大統領はまた、南シナ海での漁業問題についても議論したと報告。「比漁民の苦境も議題に上げた」と強調した上で、「中国も比も同海で一緒に漁業を営んでいた頃の状態に戻せないか」と共同利用に向けた提言を行ったことも明らかにした。習首席に反応については「習首席は要点を理解しているようだった」とした。
2016年の南シナ海仲裁裁判判断は、12年に中国が占拠したサンバレス州西沖のパナタグ礁(英名スカボロー礁)の周辺海域について、フィリピン、ベトナム、中国の「漁民」に対し伝統的漁業権を認めている。現在は中国海警局がブイの障害物を設けるなど比漁船の排除を行っているが、中国の実効支配以前は3カ国の漁民が共に漁業を営んでいた実態があり、大統領の提言は、この状態への回帰を意図したものとみられる。
比中両政府は1月のマルコス大統領公式訪中の際、両外務省間にホットラインを開設することで合意していたが、その後南シナ海で問題が発生した際に同ラインがつながらないという問題も出ていた。(竹下友章)
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国家捜査局(NBI)は17日、首都圏マカティ市で客が損傷させた車両の損害賠償として、違法に30万ペソを要求したレンタカー会社の従業員を逮捕したことを発表した。逮捕されたのはエンジェル・レンタカーの従業員であるクマー・タダニ容疑者。3月末に被害者が細かい損傷がついたレンタル車両を返却した際、合意書の3万5000ペソに加えて修理費として30万ペソを要求し、その後も恐喝行為が続いていた。被害者から相談を受けたNBI犯罪部がおとり捜査を実施し、逮捕に至ったという。(18日・テンポ)
2023年11月19日のまにら新聞から