映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

799-貴重な石仏

2014年11月09日 | 30秒の心象風景
 福崎町最南の集落に、五智如来の石仏があった。五智如来は密教系の仏様である。一般庶民になじみの多いものではない。したがって、庶民信仰の対象とはなりにくく、お地蔵様や観音様のように、路傍でよくお目にかかるということはない。町内では珍しいこの五体の如来像は、今は廃寺となってしまった薬師寺という寺の境内にあったものだ。境内の跡地は地域の人が利用する広場になっていて、誰でも入ることができる。また、車道からでも見える場所である。五体の座像は福崎町指定の文化財になっているが、露座であるため、風化が進むことが心配である。江戸時代のものであるが、寄進者名なども徐々に判読が難しくなっているように思う。五体の如来座像は、寄進者がそれぞれ異なっていて、今は別の行政区域になってしまっている周辺の集落が一体ずつ奉納しているようだ。如来の表情はおだやかで、気品があり、地域色を感じさせない洗練されたものだと思う。今はなき薬師寺の隆盛の名残を感じることができる五智如来像である。

30秒の心象風景5993・五体の如来像~薬師寺~
http://youtu.be/94w-2yXpiLc
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 798-自然に目が向く | トップ | 800-倒れた灯籠 »
最新の画像もっと見る

30秒の心象風景」カテゴリの最新記事