映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

2531-享保の燈籠

2020年01月15日 | 30秒の心象風景
 姫路市香寺町の櫃倉神社は古い由緒があるようだが、現在の建物は新しいものだ。神社名を記した標柱は昭和時代のもので、鳥居も大正時代の年号が刻まれている。境内を見ると日本が軍事国家として進んでいった頃に整備されたものが多いと感じる。しかし、神社の境内には室町時代とされる不動明王の石像があることが記されていて、社殿とは別の場所に新しく作られた立派なお堂がある。お不動様はこのお堂の格子の向こうに収められているのだろう。この新しいお堂は多くの人の寄付によってつくられたことが記されている。お不動様の姿を見ることはかなわないようだが、地元の人に大切にされていることが伝わってくる。さて、それ除くと境内内で古いのは、享保の年号が記された燈籠である。享保は江戸時代の中頃第8代将軍徳川吉宗の時代である。燈籠に刻まれた享保15年は、享保の大飢饉がやってくる2年前で、将軍による経済改革が進められている頃である。ここに暮らした人達はどんな思いで奉納したのだろうか。その後、享保17年の大飢饉は西国を中心に起きている。この地域も被害にあったに違いない。そんな時代の石造物である。それが今も大切に守られているのである。享保15年は西暦で1730年で、今から290年前になる。

30秒の心象風景15493・享保十五年の燈籠~櫃倉神社~
https://youtu.be/oBhnFyMUvuU
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