仏教寺院を守る。寺院の山門に控える仁王像。古いものでは奈良の法隆寺の中門におかれた像が有名である。二体が門の左右にあって、威嚇の表情で参拝者を迎える。聖域を守るかのようだ。その起源は金剛杵をもって仏法を守護する神将である。その古い形を見せてくれるのが東大寺の法華堂に伝わる執金剛神像だとわれる。仁王像の本来の名称は「金剛力士」で、金剛杵を持つものであり、その起源は執金剛神だと理解される。金剛杵をシンボルとしてその法力を示す金剛力士が、二体に分かれ門の両脇に控えているのである。一方が口を開けて威嚇の表情を示し、もう一方が口を閉じてにらみをきかす。阿吽の二体になった金剛力士は仁王様という名称で親しまれるようになったのである。鎌倉時代に再建された東大寺南大門の仁王像は誰もが知る運慶の傑作である。播磨の一地方の禅宗寺院。その山門前で、運慶の仁王像を模刻したブロンズ像に出会えた。ほぼ等身大のブロンズ像は素晴らしい迫力で迫ってくる。金剛杵を持つ像の気迫は宗教的な意義を超えて迫ってくる彫刻のように思える。
30秒の心象風景11891・金剛杵を持つ~陽松禅寺仁王~
https://youtu.be/yt9fZOukmIc
30秒の心象風景11891・金剛杵を持つ~陽松禅寺仁王~
https://youtu.be/yt9fZOukmIc