敦賀の気比神宮にお参りしました。広い車道に面する参道の入り口に赤い鳥居があります。ここから神社の境内に入るという実感がわいてくる大きな木造の両部鳥居です。その鳥居をくぐると、すぐ左脇に参道があり、自然石に猿田彦神社と刻まれた標柱があります。その参道を少し進んだところに古い石造の狛犬がありました。蹲踞スタイルですが、頭部がかなり上向きの表現で、古い様式を感じます。近寄ってみると、狛犬の背中に文字が刻まれています。よく見ると前脚附近にも奉納寄進の文字が刻まれています。寛保三という文字があり、寛保三年(1743)江戸時代の中頃というかなり古いものです。奉納関係者の名前や年号などは、台座に刻まれることが多いのですが、この狛犬では、本体に直に刻まれています。他では余り見ない表現です。長く続いた享保が20年で終わり、元文に改元されたのち、辛酉を迎え寛保に再改元されています。辛酉の3年後は甲子となって再々改元され延享となるため、寛保は三年で終わります。その時代の狛犬です。
30秒の心象風景26839・境内社の狛犬~敦賀気比神宮~
https://youtu.be/f823fnAtCAE