goo blog サービス終了のお知らせ 

平方録

大蛇の偶然とソラマメ

わが家の近くの田んぼで6月の声を聞いた途端に田起こしが始まった。
周辺の町のもう少し規模の大きな田んぼでは既に田植えは済んでいて、水の張られた水田にか細い苗が風にそよぐ姿が見られる。
「もう稲作はやめたのか」と思うくらい、いつも近所の田んぼはしんがりのしんがりである。

一昨日の日曜日、その田んぼに小中学生が10数人入り混んでキャアキャア言いながら泥をかけあってはしゃいでいたから、田の持ち主が子どもたちに田起こしをさせていたのかもしれない。
その田んぼのすぐわきの、道路になっている場所の、一段高くなっているのり面の穴の中に1.5メートルはあろうかと思われるヘビが逃げ込んだのを目撃している。
土曜日の午前中の話で、その日の午後に開いた句会で、隣町に住む句友が自宅近くのトンネルの入り口で“大蛇”を見たと言っていた。
「実は俺も見たんだ、しかも2メートルくらいあったような気がする」と大げさに言ったのだが、その時は思わぬ偶然にびっくりしただけである。

その句会が終わった後に大きな地震に見舞われ、JRがストップしてしまって往生したのである。
海沿いの隣接する地域の“大蛇2題”はあの地震と無関係とはとても思えない。
地中のヘビには、地球の奥深いところで起こり始めた変化の兆しが伝わっていて、異変を感じて穴からはい出してきたところに、自転車で通りかかったのであろう。
大きさからいえば青大将なのだろうが、ヤマカガシかシマヘビのような色合いだったような気がするが、とにかく長~かった。

ともあれ、木々の生い茂る山すその道と田の周辺では時たまヘビを見かけるが、あんな大きなヘビは初めてである。
最近、カエルの鳴き声が随分減ったなと思っていたが、あの“大蛇”の食欲のせいに違いない。

妻が近所の農家の庭先でソラマメを買ってきたので、夕食にゆでて食べた。
初物である。
季節を感じさせてくれる食材で、大好物のひとつである。
以前、バリバリ働いていた頃、忙しい時間の夕暮れ時になると、馴染みのそば屋の女将から「良いソラマメが入ったわよ。蕎麦がきと一緒にどお? 浦霞も冷やしておくわよ」などという悪魔の誘いの電話がかかってくると、もう仕事など超特急で切り上げていそいそと暖簾をくぐり、冷酒を流し込みながら舌鼓を打ったことを思い出す。

農家のおかみさんの言うには、バス停から坂を下りてきた辺りにある小さな畑で採れたものらしい。よく通る道端である。
結構大粒で独特の味と香りがして、ソラマメはやっぱり初夏の香りがして良いものである。
あんなところで、と思うような場所でも随分と立派なソラマメが育つものである。

この塩ゆでのソラマメに生シラスがあればもっと良かったが、小田原で水揚げされたシコイワシの唐揚げに生のレモンを絞りかけ、頭も骨もむしゃむしゃ食べながらワインで喉を湿らせるという夕餉と相成った。
身近で採れた旬の食材を味わう贅沢さは、もうこれに勝るものはないように思える。




バス停近くの畑で採れたソラマメ


のり面に穴に逃げ込もうとする、体長1.5mはあろうかという“大蛇”


田起こしが始まった
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事