無理もない。移動はバスか電車で、自分の足でハアハア息を切らせたのは山寺の千数百段の階段を上り下りしたのと、同じ日に仙台の街を2時間くらいほっつき歩いたくらいである。
それ以外は秋田と山形の美味い物を食べ、かつ地酒をたっぷり飲む4日間だったのだから無理は無い。仕上げは仙台の牛タンだったし、これで太らないわけは無いのだ。
徐々にでも70キロを切るところまで落としていかなければならない。
思えば良く食べ、良く飲んだ。
秋田新幹線の中での駅弁に始まって比内地鶏の焼鳥、秋田から新庄に向かう奥羽本線車中の朝飯代わりの駅弁、これは比内地鶏の駅弁で、たいして期待していなかったのだが、その割に美味しく、隠れた一品だったのである。
昼には最上川下りの船の中で竹かごに入ったおにぎり弁当。これはグルメでも何でもないが、五月雨を集めて黒々と盛り上がった圧倒的な流れの上という状況設定と両岸に迫るまだ新緑の景色、さらに船頭の名調子が加わり、これらが格好のおかずになって、昼酒もことのほか美味しく、定義すればこれぞ一級品のグルメと言っても差し支えない。
夜は夜で竜宮城もかくやと思わせる豪華版で、日本海で採れたばかりの海の幸がアワビもサザエも刺し身も新鮮そのもの。
わけても首都圏などではついぞお目にかかれない、大きくてたっぷり太った旬の岩ガキの美味しかったことと言ったら、筆舌に尽くせないとはまさにこのことで、尽くせないのだから書きようがないが、とにかく美味しかった! あれはもう一つ食べたかった。
これに4合瓶の地酒8本と十四代の酒蔵が作っているレアな鬼兜と言うブランデーのような米焼酎が加わって、まあ正直言って足りないくらいだったのだが、それもまたよし。
それぞれの近況報告などもあって、実に味わい深い宴なのである。
朝は昨晩手つかずで残してしまったカレイが空揚げになって登場したり、貝の出汁の効いた味噌汁と山形のコメが美味しくて、お代りまでしてしまった。
昼飯は例の辻蕎麦だし、蕎麦に加えて蕎麦殻を剥いただけの「剥き蕎麦」、蕎麦を打つ時の出る切れ端にゴボウやニンジンの根菜類と鶏肉を入れた汁「はっとう」まで食す。
これらが素晴らしいのは、いずれも蕎麦が香り立つているところである。なかなか香り立つ蕎麦というものに出会えるものではない。
これに冷えた地酒が加わるのだから、蕎麦が一層引き立つというものである。
次の夜は漬けもの屋の2階の洒落た部屋で食事。ここでも尾花沢あたりの山形牛や鮎のごちそうが並んで、日本酒と山形産の朝日町ワインの赤がよく合って、浦島太郎張りの連日の饗宴だったのだから少々太るのは無理もない。
まあ、こんなことは年に1度のことだから、これまでの風雪に免じてお許し願おう。
来年は富山県での開催が決まり、これはまた富山も味どころ、特に海の幸と酒どころである。
まだ本州のいくつかと四国、九州も残っている。
少なくとも2巡りはしたいところである。
とまぁ、能天気なことを書き連ねたが、大病をした友人も元気そうな顔を見せたし、元気のなかった2人の友人が元気を取り戻しつつあるのを見ると、それこそが何よりの御馳走だったのである。
家に戻ってみればルリタマアザミ、サルビアネモローサ、フウロソウ、エキナセアなどが梅雨空にめげず花を咲かせている
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