最近とみに悪名高い再配達を頼むとほどなくやってきて、友人からの荷物を受け取った。
中身は夫人手製のイチジクジャム。庭で沢山とれたイチジクをジャムに仕立てたもので、口に運んでみると甘さを控えた上品な味である。
聞けば、砂糖をたくさん入れてしまうと保存には良いかもしれないが、素材の持つうまみや甘みを味わってもらおうと思って、砂糖の量は相当に抑えたんだとか。
なるほど、これなら銀座やニューヨークのデパートで売っても十分通用するのではないか。
そんな瓶が5つも入っていて、随分と沢山送ってもらったものだと思ったら、厳重に包まれていたために分からなかったが、梅酒を作った梅を再利用したジャムとハックルベリーのジャムまで入っている。
これもイチジク同様手製であるという。
何というマメさであることよ。夫人の手にかかれば何だってジャムになってしまいそうである。
ところで、この年になって初めて知ったのだが、ハックルベリーという実があるらしいのだ。
トム・ソーヤーの親友のことならよく知っているが、果物の実は始めて耳にする。まして口に入れたことなど、一度もない。
聞けばブルーベリーに似た果実だそうで、出来あがったジャムもブルーベリーのような濃い紫色をしている。
当然、こちらも甘さはぐっと控えめで、なるほど天然のハックとはかようなものであるか、という新たな発見であった。
この年になっても知らないことがたくさんあり、新しいことが次から次に現れて、オーバーな表現を使えば幾つになっても人生は刺激的なのである。
しばらくしたら、やはり庭で収穫した柿の渋抜きしたものを送るから楽しみにしておれ、という。
昨年は段ボール箱いっぱいの柿が届いたが、今年は裏作であまり実は付かなかったが、そのぶん粒が大きいという。
貴重な実を手間暇かけて渋抜きしたうえで送ってくれるのである。数の多少は論外である。
この柿を十分に熟させて完熟に達してトロトロになったらヘタをくり抜いて、そこにウイスキーをひとっ垂らしして食べると、これがもう絶品の味で、まさに大人の味、止みつきになること請け合いの食べ物になる。
想像するだけでよだれが垂れてくるほどである。
友人は冷凍保存しておいた最後の柿に年代物のコニャックを垂らして食べたんだそうな。おのれ!
熟柿にウイスキー! こんな美味しい食べ方を知らない人間が世の中にいるなんて、信じられないし、そうだとすると可愛そうでならない。
今わの際に選びたい逸品なのである。
姫の家の近くの公園にはドングリが無数に落ちている。この日の姫は崩していた体調もだいぶ回復したこともあってか、情緒不安な様子もだいぶ消えて、以前の明るく元気いっぱいの姫に戻ったかのようでもあり、一緒にドングリの実とその帽子、松ぼっくりを拾い集めた。
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