円覚寺では20日から「入制大攝心」という1週間にわたる集中座禅修行期間だそうで、横田南嶺管長をはじめ、在籍する雲水25人や居士(一般の修行者)らが1週間、お寺にこもって厳しい修行を行っているのだという。
厳しい修行と一口にいっても、どんな内容かわからないので想像がつかないが、仏教各派の中でも厳しいと言われる禅宗だけに、相当厳しいんでしょうな。
ちょっと体験してみたい気もするが…
そんなわけで、横田老師はじめ普段の座禅会で見かけるお坊さんの姿はない。
代わりに背の高い堂々とした雲水がたった一人で世話を焼いてくれた。多分、長いこと修行を続けている雲水に違いない。経を読む声量が豊かで、おなかの底から伸びのある大きな声で朗々と読んでいた。修業の成果の一つなんだろうが、ここの寺の僧たちの声量には驚かされる。横田管長も見事なのだ。
そんなわけで、説教は新潟県南魚沼市の円覚寺派の寺からやってきたお坊さんが務めた。
坐禅をする大方丈の山門寄りに仏殿があり、仏殿と道を隔てて居士林と選仏場の建物が並んでいる。
48年前の夏に10日間過ごした居士林を間近に見てみようと、2つの建物の間の小道を進んでみると、そのまま居士林の裏手の山へと続いているのに気づいた。
居士林では作務という作業で裏山に分け入り、風などで倒れた木を薪にするため、持ち運びできる大きさに切って運んだ記憶がある。それがこのあたりの裏山だったのかもしれない。すっかり記憶から抜け落ちている。
居士林は東京牛込にあった柳生流の剣術道場で当時の当主が在家の禅修行者のために、と昭和3年に寺に寄進し移築したものだという。
広い板敷の道場で、毎朝雑巾がけに大汗をかいた記憶がある。
移築されてからでも86年。建てられてどれくらいの年月がたっているのだろうか。外見は全く変わっていないように見えたが。
階段を上りきって驚いた。龍隠庵という古びた質素なお堂と別にもうひと棟が建っているが、眺望が素晴らしいのだ。
眼下に伽藍が広がっている。
足元に居士林の長い屋根が見え、茅葺屋根は選仏場、そして仏殿の緑青を噴いた大屋根と山門、さらに大方丈の屋根などが木々の間から見えるのである。
観光客は登ってこない。居士林と選仏場の間の小道には何の案内もないし、小道そのものが単なる通路のようで、人を誘わないのである。
登りきったところには縁台がいくつか置かれているから、ここで休むことができる。
穴場を見つけた。しかも48年の歳月を経て…
一番手前の大きな屋根が居士林。茅葺屋根は選仏場。そして仏殿(左奥)と山門
居士林の裏手の階段を上ると眺望が開ける
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