先月のことなので既に旧聞に属する話なのだが、近所にツリフネソウがまとまって咲く場所があり、深い木立に囲まれた池のある一帯は自然をそのまま残した公園として整備されている。
ある日、ツリフネソウの写真を撮ろうとしてぶらりと出掛けたところ、門扉が閉ざされ「台風による倒木被害等により閉鎖しています」という立て看板があって、門前払いを食ってしまった。
ボクの暮らす鎌倉は9月9日に台風15号、10月12日に台風19号が相次いですぐ近くを通過したため、人的被害こそ免れたが、一部の地域では停電が長引いたりして日常生活に大きな影響が出た。
もっとも、我が家は15号で庭木の枝が何本か折れたりした程度で済んで胸をなでおろしたが、市域の三方を屏風のように取り囲む低い山々では地滑りや倒木が相次いだらしい。
そのおかげで、観光の目玉になっている「祇園山」「葛原ヶ岡・大仏」「天園」の3つのハイキングコースは通行止めが続いたまま、未だにJRの駅前などには「ハイキングコース全面通行止中 ‼ 」という看板が出されたままだ。
ボクも自転車に乗らなくなる冬場は北鎌倉の円覚寺での坐禅を終えると浄智寺の横から葛原ヶ岡に抜ける山道をたどって帰ることがあり、気が向けばさらにめったに人と出会うことのない尾根道を梶原から鎌倉山方面に抜けたりもする。
多分この尾根筋の道などにも被害が出ていることだろう。
出口付近まで来て通せんぼに会いUターンなんてのはゴメンだし、 何れちょっと実況見分と言うか、実地調査に入る必要がありそうだ。
つい最近、ブロ友さんが分け入った南西部の大きな森にも冬場は時々出掛けるのだが、ここも倒木やら地滑りが発生して通行止めの箇所が多かったと記されていた。
鎌倉の紅葉の見ごろは例年12月初旬で間もなく盛りの季節がやって来る。
15号は北風だったので塩害は出なかったが、19号ではそこそこ被害が出たようで、南斜面で不自然に茶色く変色してしまっている木々を目にする。
しかし、それほどひどいものではないから一定程度の期待は持てるような気がする。
鎌倉では鎌倉宮の奥に「獅子舞の谷」と呼ばれるところがあって、イチョウとモミジの黄葉・紅葉のきれいな場所がある。
南斜面の深い谷だから15号の北風はかわしただろうし、19号もやり過ごしてきっと大した被害は出ていないだろうと思う。
今年は2年ぶりに尋ねてみようと思う。
朝比奈切り通しが通れないとか、佐助稲荷の社殿が倒木で押しつぶいされたとか、断片的な情報はあるにはあるが、とにかく、これほどの被害の広がりを聞くのは移り住んで40年超になるが初めてのことである。
そして観光コース以外のボクが好んで歩く尾根道は情報が伝わってこないので、実際にたどってみなければ分からない。
今冬はその実地探査に時間をかけることになりそうだ。
冬場のひとつの目標が出来たというべきか…
北鎌倉駅前にはこんな看板が
見出し写真は雨上がりの夜明け(05:53撮影)