平方録

締めの花見は千本桜

ボクの妻は忙しい人で、趣味を兼ねた稽古ごとやら友達付き合いやらで家にじっとしているためしがない。

片やボク自身のリタイア後は「ねばならぬ」ことは何もないし、天気が良ければ散歩か自転車に乗りに出かけるか、庭に出てバラなどの手入れをしたり、見たい映画や展覧会などがあれば出かけるという具合で、毎日が日曜日の勝手気ままな日々である。
だから家にいれば昼飯は自分で作って食べるし、洗濯ものなどボクが取り入れることの方が圧倒的に多いくらい、手のかからない亭主であり、文句も言わない。
夕方遅くなって家に帰ってきて、それからバタバタと夕食の準備をしたりするものだから「遅くなる時はボクが作るよ」というと、それでは主婦の沽券にかかわると思うらしく、首を縦に振らない。
気にすることなんかないと思うのだが、強引にやるようなものでもないので、それ以上は黙っている。

言ってみれば母親が働きに出ていて学校から戻っても家に誰もいない「かぎっ子」のような毎日なのだ。
そういう状態に気がひけるところがあるのか、1週間か2週間のうち1度程度の割合で「明日は暇だから付き合うわよ」などと前の日の夕食の時に言われたりする。
だから一昨日の金曜日の夕食のときに「久しぶりに千本桜でも見に行きましょうよ」と誘われ、正直、なんで千本桜だよ!と思ったりしたので返事は保留にしておいたのだが、あぁ気を遣ってるんだなと思い直し、翌朝になって「よし、行ってみよう!」と伝えた。
ボクだって気を遣うのだ。

今年のサクラは長持ちしたし、家の周囲の尾根道をたどってひっそり咲いているヤマザクラをあちこちで堪能したから、最後は俗世間の花見という訳である。
隣町から出ている私鉄で10分余りのところの「花の寺」に寄ってから引地川沿いの川べりにでる。
1・5キロにわたって約500本のソメイヨシノなどのサクラが植えられていて「千本桜」と呼ばれている。

ここに来るのはほぼ20年ぶりくらいで、川岸のサクラ自体は変わっていないように思えたが、川にたどり着くまでの道路が新しく作られていたりして、すっかり様変わりしていたのにはびっくりした。
花の寺のミツマタも株が更新されたらしく随分小振りになっていたほか、「照手姫」という品種のモモもせん定の結果なのだろうが、一回り小さくなっているように見えて、すっかり浦島太郎の気分である。
住宅街を流れる川だからだろうか、両岸にはソコソコの人が出て花見を楽しんでいたが、ビニールシートを敷いて飲み食いしている人たちは家族連れがほとんどで放歌高吟も無く、どこやらの行儀の悪い花見と違ってにこやかな様子で花の盛りを楽しんでいる様子が良かった。

こうじゃなくっちゃね。




引地川沿いの「千本桜」は今まさに真っ盛り






花いかだを時々コイが乱したりする


花いかだを眺めながらオシドリ夫婦が休んでいる


帰り道に立ち寄った隣町の酒屋に思いがけず「あの」秋田の「雪の茅舎」が置いあって、その中から山廃純米吟醸の4合瓶を買って帰った ♪


魚屋で頭の先から尻尾まで29cmもあるイサキを買って帰り塩焼きにして山廃純米吟醸を飲った。至福、至福、極楽、極楽 ♪
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