政府がアホやから、国民は苦労させられるねん。
戦争法案が成立してしまい、妻と二人で行きつけの焼鳥屋でやけ酒を飲むことにしたんである。
とぼとぼと歩いて到着した店は目を疑うほどの混みようで、7、8人しか座れないカウンターにはアロハシャツを着た外国人2人を含めて、先客がぎっしり。
仕方なく奥のテーブル席に座った。
先客があれやこれや注文しているらしく、焼き鳥がなかなか届かない。
文句を言っても始まらないので飲みながら大人しく待っていたが、そのうちおばあちゃんを含む3人連れが入ってきて、やっぱり店の混み具合にびっくりして、隣のテーブルに座った。
そちらのテーブルは狭いでしょうから変わりましょうか、などと声をかけたりしているうちに、何となく会話が成り立って、72歳の母親と45歳のサーフィン好きの長男、それに子ども2人を残して妻に先立たれた二つ違いの弟の親子と判明。近くのホルモン屋の帰りで、何とはしご酒だそうである。
こんなに込み合っているのは初めだ、などと、いきなり垣根はないも同然である。
そうこうしながら待つこと幾星霜。
ようやく届いた焼き鳥をかじっていると、アロハに短パン姿の若い外国人青年が店に入ってきた。
カウンターはいっぱいだし、二つしかないテーブル席もいっぱい。その外国人青年がうろうろ席を探すものだから、まあ座れ、と我がテーブルを指さしたらあっさりと着席したんである。
こういうとき、日本人は往々にして寅さんに変貌する。
困った時はお互いさま。困っていたかどうか知らないが、何とか自力でビールを注文した。
すると、隣のテーブルのおばあちゃんが冷やしトマトを「おいしいよ」と分けてあげると喜んで食べる。
我らがかじっている焼き鳥に興味を示すから、注文してあげた。
格好の遊び相手の出現である。
なにせ、やけ酒を飲みに来たんである。アベなんちゃらをののしっても酒がまずくなるばかり。この青年は格好のウサのハケドコロとなった。
隣の3人組も加わって片言の英語で会話が始まった。35歳のオーストリアの建築家で2週間の休暇で来日し、鎌倉を訪れる外国人に人気の日本の家屋をそのまま利用したゲストハウスに滞在中なんだとか。
着ていたアロハシャツは江ノ島の参道で1000円で買ったそうである。
この店をどうやって見つけたのかと聞くと、モノレールを降りて帰る途中、信号待ちしていたら、とても良い香りが漂ってきたんだという。
よろしい。その態度は正しい。グッドジャッジメント、グッドチョイスであるとほめてあげた。
何と、国技館で相撲を見てきた帰りだという。デジタルカメラを取り出して見せてくれたが、2階席だか3階席からの幕内土俵入りなどの写真が写っていた。
エキサイティングだった、そうである。さもあらん。
このあたりにちゃんこ料理屋はあるか、と聞くので、君は惜しいことをした、両国ならあったのになぁ、と答えたら、がっかりしていた。
隣のおばあちゃんが気前の良い人で、名物の焼きうどんを頼んでくれて、われら夫婦にも一皿取ってくれて、青年と一緒につついたんである。
うどんは初めてだとか言いつつ、恐る恐る口に運んだところ、隠し味にケチャップを使っているところなんぞが気に入ったのか、美味しいとニッコリ。
私のグラスを指さして何を飲んでいるのかと聞くので、サツマショーチューだと教え、ロックを勧めたら、これも初めてで、とても飲みやすくておいしいとご満悦である。
一升瓶を写真に撮っていたから、ほかの店に行っても飲むつもりである。
日本酒は飲んでいるようだが、サツマショーチューまでは手が回らなかったらしい。
サツマショーチューが美味しいものだから、焼き鳥を追加注文していた。
隣の3人を含めてフレンドかと聞くので、そうではない、実は国会で昨日、日本のこれまでの平和路線をブロークンする法律が成立してしまって、がっかりして飲んでいるのだ、と言ったら、隣の席のサーファー長男が、驚くほどの勢いで「その通りで、実に悲しいのだ」と呼応する。
72歳のおばあちゃんも「ホントにどうかしてるわよね」と嘆き、思わぬ反政府集会となったのである。
こういう光景がこれからあちこちで見られるはずである。
アベちゃん、国会前のデモに行かなかった人たちにも、反対している人がたくさんいるんだよ。
青年はオーストリアはスイス同様の国だと胸を張った。
そう、他の国に出掛けて行って、鉄砲を撃ってくるようなまねはしない国なのである。
かくして5時間近く、午後11時まで痛飲してしまった。
四海波高し!
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