沖縄サミット(第26回主要国首脳会議)が開かれた2000年の6月1日、ボクは早朝から8時間に及ぶ大手術を受けた。
脳の動脈に直径7㎜ほどの瘤があることが分かり、これがもし破裂した場合の社会復帰できる確率は17%だと言われ、愕然とした。
いわゆる脳動脈瘤と呼ばれるもので、往々にして40代後半から50代の働き盛りの人間が動脈瘤の存在に気付かないまま、ある日突然倒れ、道半ばで半身不随となるか、もしくは命を失ってきた。
最善の方法は破裂する前に頭蓋骨を開き、動脈瘤を特殊なクリップで押さえつければ、その心配はなくなる。
生を続けるのか、それとも…その手術を受けるのにイヤも応も無かった。
手術方法などの説明を受けた時は何とおぞましい手術であることか…と体が震えるほどで、怖かった。
しかし、手術しなければ、いずれはサドンデスが待っている。
気が付いた時は集中治療室にいた。
まだ麻酔が残っていたので一部はもうろうとしていたが、執刀医が脇に立っていて「気が付きましたね、気分はどうです」と声をかけて来た。
事態のすべてを飲み込めたわけではないが、「あぁ、手術が終わって、どうやら無事に生きてるようだな」とは思った。もちろん口には出していない。
すると執刀医が「右手を上げられますか?」と聞く。
あぁ、右手か…と右手の指先に血が通っているのを実感しながら、言われたとおりに上げてみると、ちゃんと動く♪
すると「左手はどぉ?」「右足は?」「じゃ今度は左足…」という具合。
すべてが想定通りに動いたことで、「あぁ、これで助かった、マヒも無い♪」と思いつつ、現金なもので、下半身にはもう一つ動くかどうか確かめたいものがあるんだが…と不謹慎なことを思って、我ながら苦笑させられた。
ちなみにだけど、これは退院して戻った家でしみじみと湯船につかりつつ、確認作業を行って無事であることを確かめたのでアリマシタ♪
何しろ51歳11か月の男盛りでもありましたから…
かくして、術後の病室から眺める隣のゴルフ場のうねうねと続く木々の緑に生きていることの実感を得つつ、しみじみした気持ちの中で浮かんだ句が次の1句。
「万緑や染め直したる命かな」
今日は74回目の誕生日。
思えば遠くにきたもんだ…が正直偽らざる感想。
ローカ現象に加え、あちこちにガタつきも目立つこの頃ではあるが、だましだまし、それでも一応いたわりつつ、つなぎ、伸ばしていただいた命をケセラセラと、もう少し楽しめればと思っている所であります。
4:06 あっという間にオレンジ色が差しかけて来た 右上に宵の明星が光っている
4:21 地平線が金色に輝き始める 東京地方の23日の日の出は4:43
4:58 中央のビルの背後が仏像の光背のように光りはじめる♪
5:01 上る日がチラッと顔をのぞかせ始めた♪