わが家の周りには竹藪が多い。
したがって、竹藪の持ち主の家の前や道端の野菜を売る無人スタンドにはこの時期、朝掘り出したばかりのタケノコが土の香りとともに売られている。
そんなわけでもう何度か、タケノコが食膳に並んだ。
焚き込みのタケノコご飯は好物の一つだし、ワカメと一緒の吸い物もいい。
これらを口にするとき、よくぞ日本人に生まれけり…の思いを強くするというのも、あながち大袈裟でもないだろう。
意外なところでは、横浜駅の名物駅弁「シウマイ弁当」にシューマイと共に入っているタケノコを小口に刻んで煮つけたタケノコ。
あのタケノコが入っていないシウマイ弁当を想像すると、目立たないけれどその貢献度は決して無視できないものがあると思っている。
昨日、横浜に用事があり、帰り道に買って帰ってベランダでビール片手に列車に乗った気分で食べ、タケノコの煮つけを"うまいなぁ♪"と食べたばかりである。
もしまだ味わったことがないという人は、東京駅や品川駅など東京周辺の主だった駅でも売っているので、これからの大型連休にどこかに出かける折にでも是非味わっていただきたい。
この駅弁、950円もした。
ボクの記憶の中では720円というのが長くあったので、「いつの間に…」という気分で、少し驚いた。
シウマイも5個しか入っていなかった。
せめて8個、できれば10個は欲しいと思ったがどうだろう。
それで1000円なら許すね。
近所の寺の竹藪もなかなか美しい
よく風の通る感じがいいのだ
掘り残されたタケノコの背比べ
良寛の筍天を目指す刻(佐川広治)
ついでに目についたものを2つ3つ…
筍の光放ってむかれたり(渡辺巴水)
筍や笑うがごとく湯の煮ゆる(長谷川櫂)
京都より筍着きて日は高し(高野素十)
筍や目黒の美人ありやなし(正岡子規)
時鳥筍どももよッく聞け(会津八一)