流鏑馬を見るのは初めてである。
平日にやることも知らなかったし、4月の鎌倉祭りでは休日に行われている記憶があるが、人ごみの中に出かけてゆくのはまっぴらなので、これまで見ずじまいだったのだ。
したがって、昨日は歴史的な日と言ってよい。
平日だから出かけてみる気になったのだけれど、平日というのにどうしてあんなに人がいるのだろう。
もっとも、馬が走る馬場は即席のしつらえで、本殿に向かう広い参道と直角に交わっている狭い直線路だから、もともと人が見物できるようなスペースはないに等しい。建物も建っているから、馬場にも近づけない場所がある。しかも、本殿側は招待席だから一般の見物客は南側に限られる。
ようやく見つけたスペースは前に人の頭が10個くらいも。しかも、左右は木立にさえぎられて見通せない。幅6、7メートルの額縁の中を馬と武者の姿をした射手が1秒半で駆け抜けてゆく。走ってくる姿、走りすぎてゆく姿、矢をつがえる動作、矢を射る瞬間、そんなものはまったく見えない。ただ一瞬、狭い額縁の中を通り過ぎるだけである。それも、1秒半だからあっという間。
まあ、それでも馬上の武者姿の射手が馬を走らせながら気合を入れる「それっ」とか「えーいっ」という声、的に矢が命中した瞬間には「パーン」という乾いた音が木々や人垣の間から聞こえ、どよめきと拍手が起きるから、それとなく雰囲気は味わえた。
これを見物人をたくさん入れた国立競技場みたいなところでやったら、単なる見せものだものね。
見物客には白人がずいぶんいた。This is Japan ですかね。京都じゃあ見物できないしね。
それにしても、鎌倉時代の武士たち、わけても坂東武者たちは素朴で質実剛健で力強くたくましくて、恰好良かったんだろうねぇ。姑息なところがなさそうなのが良い。
そもそも長州と薩摩を治めた人物は頼朝の御家人で、鎌倉武士の血をひいているはずなのに、その末裔の何と危なっかしいことか。もっとも藩士や領民にそんな血が流れているはずもない。それでも、気持ちとか気風というものは伝わりそうだけど、無理かねアベちゃん。
スマートフォンも捨てたもんじゃない
矢をつがえるところだろうか。あっという間に通り過ぎる
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