ぷ~んと匂いが漂ってきたりすると、ついフラフラと足が勝手にのれんをくぐろうとする。
養殖に使うウナギの稚魚の量を、11月から2割削減するという。
日本、中国、韓国、台湾が17日に合意した。
かば焼きで食べているニホンウナギは国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定されていて、このまま資源が減り続けると国際的な取引を禁じるワシントン条約にリストアップされかねない、ということで資源管理に取り組まざるを得なくなった、ということのようだ。
今でさえウナギの値段は高騰していて足が遠のいているのに、ワシントン条約に指定でもされたらいったいどんなことになるのか。
資源管理は必要で、大切なことなんだと思う。
一方で、養殖と言いながら卵から孵化させることができないのが痛い。今のところ、孵化してある程度成長したシラスウナギを捕獲するところから、ようやく養殖がスタートする。まどろっこしいのだ。
卵から養殖がスタートできればこういう問題は起こらない。研究はしているんだろうけど、神秘の世界が残されたままなんだね。
ま、資源管理のお手並み拝見ですな。庶民の口にも届きますように。
これまで一番おいしかったウナギ?
藤沢名店ビルの地下にある、さばいて焼くだけの店。ウナギの寝床のような細長い店舗スペースで、親父ががひたすら痩せたウナギをさばいている。さばき終えると炭火で焼き始める。これが午後3時ごろから。地下の食品売り場にウナギのにおいが充満かと思いきや、排気ダクトで外に送り出されるようで、近づかないと匂いはしない。
察するに地下の魚屋だの肉屋だの八百屋だのから苦情が来るんだと思う。
むべなるかな。かば焼きのにおいを嗅ぎながらでは、今夜のおかずの想像力はかき消えてしまうからね。
お世辞にも太ったウナギとは言えないが、これが長蛇のできる店なのだ。
で、姫の一家がオハイオから里帰りしてきた数年前、ひと串1500円のかば焼きを買ってきて丼飯の上に乗せて食べたら、案外いける。
いける、というのは少し構えすぎで、「とても美味しゅうございました」というのが正直な感想。
なんだよ、老舗の高そうな店に行くことないじゃん、という思いでありました。
初めてウナギを食べた姫も「美味しい」とご満悦で、娘と連れ合いも“期待外れ”に驚いていた。
庶民の味方のウナギなのである。
そしてもう一つ。
今から21年前の10月。四国の四万十川をカヌーで下った時のこと。
総選挙で忙殺されて休みも取れなかった2カ月がようやく過ぎ去って、一念発起してたった一人で初めての川下りに挑んだ。
出発2、3日前まで台風が3個も日本付近をうろついていて、それがやがて一つに収斂されて過ぎ去っていったのが出発前日という綱渡り。
このときの思い出はたくさんあるが、今回はウナギ。
四万十川中流域の江川崎というところの河原に降りてテントを張り、翌日。
近くの小さなスーパーに食料を買い出しに行って見つけた。
立派なウナギとはとても言い難いのだが、きれいにさばいてあってビニール袋に入っている。
店のおばちゃんに「天然ですか」と、振り返ってみれば間の抜けた質問をした。
怪訝な顔をされたが道理である。このあたりの人に「養殖」という概念は存在しない。おそらくこのあたりの辞書にも載っていないはずである。
ここではウナギといえば川で獲ってきたもの以外に存在しないのだ。
このウナギをたき火の火で慎重に白焼きして、ワサビだけをつけて食べたんですな!
ウナギについて語ろうとする人は、まず、四万十川流域に出かけ、どこかのお店でよいから白焼きを食べさせてもらって、四万十のウナギというものを口にしてから語ってもらいたいものである。
何だい、あの甘ったるいたれは! じっくり蒸してあるから柔らかくてとろけるよう、だと?
歯の無い年寄りの食べ物じゃないんだよ。
四万十のウナギは甘いんですな。わさびだけで食べたんだけど、「えっ!」と思うほど甘い。ウナギからにじみ出る甘さ。しつこくなくて、それもほんのりと遠慮がちに。でもしっかり甘いんだね。天然ウナギというものはこういう食べ物だったんだ! と知らされました。
ウナギは四万十に限る !!
散歩道のわきの畑にカボチャが転がっていた。ウラナリなんだろうね。近くでシマヘビも見かけた
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